overscroll-behavior
CSS の overscroll-behavior
プロパティは、スクロール領域の境界に達したときにブラウザーが何をするかを設定します。これは overscroll-behavior-x
および overscroll-behavior-y
の一括指定です。
/* キーワード値 */
overscroll-behavior: auto; /* 既定 */
overscroll-behavior: contain;
overscroll-behavior: none;
/* 二つの値 */
overscroll-behavior: auto contain;
/* グローバル値 */
overscroll-behavior: inherit;
overscroll-behavior: initial;
overscroll-behavior: unset;
既定では、モバイルブラウザーは「跳ね返る」効果を見せたり、ページの最上部又は最下部 (またはその他のスクロール領域) に達したときにページを更新したりする機能を提供する傾向があります。内容がスクロールするページの上に、内容がスクロールするダイアログが表示されている時、ダイアログボックスのスクロール境界に達したときに、下のページがスクロールし始めるという動きをするのに気が付いたかもしれません。 — これはスクロール連鎖と呼ばれています。
場合によっては、この動きが望ましくないことがあります。 overscroll-behavior
を使用すると、望ましくないスクロール連鎖を抑止したり、ブラウザー版の Facebook や Twitter アプリなどに見られる「引いて更新」の類の動きを実現したりすることができます。
構文
overscroll-behavior
プロパティは、次の値の一覧のうち1つまたは2つのキーワードで指定します。
2つのキーワードでは、 overscroll-behavior
のそれぞれ x
及び y
軸の値を指定します。値が1つだけ指定された場合は、 x および y が同じ値とみなされます。
値
auto
- スクロールの末端における既定の振る舞いが通常通りに発生します。
contain
- この値が設定された要素の内部では、スクロールの末端における既定の振る舞いが見られますが、隣接するスクロール領域に対するスクロール連鎖はありません。例えば、基底となる要素はスクロールしません。
none
- 隣接するスクロール領域に対するスクロール連鎖はなく、スクロールの末端における既定の振る舞いが抑制されます。
公式定義
初期値 | auto |
---|---|
適用対象 | 非置換ブロックレベル要素と非置換インラインブロック要素 |
継承 | なし |
計算値 | 一括指定の次の各プロパティとして
|
アニメーションの種類 | 離散値 |
形式文法
例
下の要素がスクロールするのを抑止する
overscroll-behavior の例 (ソースコードはこちら) は、全画面で擬似連絡先の一覧を、ダイアログボックスでチャットウィンドウを表示します。
どちらの領域もスクロールします。ふつう、チャットウィンドウをスクロール境界に当たるまでスクロールすると、下の連絡先ウィンドウもスクロールを始めます。これは望ましくないことです。これは、次のようにチャットウィンドウに overscroll-behavior-y
(overscroll-behavior
でも可) を使用することで抑止することができます。
.messages {
height: 220px;
overflow: auto;
overscroll-behavior-y: contain;
}
連絡先が冒頭又は末端までスクロールしたときの標準のスクロール末端効果を抑止したいかもしれません (例えば Android 版 Chrome は、冒頭の境界を超えてスクロールしようとするとページを再読み込みします)。これは <body>
要素に overscroll-behavior: none
を設定することで抑止することができます。
body {
margin: 0;
overscroll-behavior: none;
}
仕様書
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser