attr()
Baseline
Widely available
*
This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since 2015年7月.
* Some parts of this feature may have varying levels of support.
メモ:
attr() 関数はどの CSS プロパティでも使用することができますが、 content 以外のプロパティでの対応は実験的です。
attr() は CSS の関数で、選択した要素の属性の値を取得し、それをプロパティ値で使用するために使用されます。これは、 var() 関数が独自のプロパティ値を置き換える方法と似ています。擬似要素で使用することもでき、その場合は擬似要素を作る元になった要素の属性値が返されます。
試してみましょう
blockquote {
margin: 1em 0;
}
blockquote::after {
display: block;
content: " (source: " attr(cite) ") ";
color: hotpink;
}
<blockquote cite="https://mozilla.org/en-US/about/">
Mozilla makes browsers, apps, code and tools that put people before profit.
</blockquote>
<blockquote cite="https://web.dev/about/">
Google believes in an open, accessible, private, and secure web.
</blockquote>
構文
/* 単純な使用法 */
attr(data-count)
attr(href)
/* 型付き */
attr(data-width px)
attr(data-size rem)
attr(data-name raw-string)
attr(id type(<custom-ident>))
attr(data-count type(<number>))
attr(data-size type(<length> | <percentage>))
/* 代替値付き */
attr(data-count type(<number>), 0)
attr(data-width px, inherit)
attr(data-something, "default")
引数
attr() 関数の構文は次のようになります。
attr(<attr-name> <attr-type>? , <fallback-value>?)
引数は次の通りです。
<attr-name>-
選択した HTML 要素から取得すべき値の属性名です。
<attr-type>-
属性値が CSS 値に構文解析される方法を指定します。これは、
raw-stringキーワード、type()関数、または CSS のサイズ単位(<attr-unit>識別子を使用して指定)です。省略した場合は、既定でraw-stringになります。raw-string-
キーワード
raw-stringは、属性のリテラル値を CSS 文字列の値として扱い、CSS の構文解析(CSS エスケープ、空白の除去、コメントなど)を行わないようにします。<fallback-value>は、属性が省略されている場合にのみ使用されます。空の値を指定しても、代替値は適用されません。cssattr(data-name raw-string, "stranger")メモ: このキーワードは、元々は Chromium ブラウザーで
stringという名前で対応されていました。下位互換性を確保するため、しばらくは両方のキーワードが対応されます。 type()-
type()関数は、値を構文解析する データ型 を指定する<syntax>を引数として取ります。<syntax>は<angle>、<color>、<custom-ident>、<image>、<integer>、<length>、<length-percentage>、<number>、<percentage>、<resolution>、<string>、<time>、<transform-function>、またはこれらの組み合わせです。cssattr(id type(<custom-ident>), none) attr(data-count type(<number>), 0)複数の型を受け入れるには
type()関数に、許可するすべての<syntax>を|で区切って列挙します。cssattr(data-size type(<length> | <percentage>), 0px)メモ: セキュリティ上の理由 により、
<url>は<syntax>として使用できません。あらゆるデータ型を受け入れるには、型として
*を使用します。この場合も CSS の構文解析は発生しますが、構文解析が有効であること以外の要件は設定されず、構文解析の結果は<string>値ではなく、トークンとして直接置換されます。cssattr(data-content type(*)) <attr-unit>-
<attr-unit>識別子は、数値が持つべき単位(ある場合)を指定します。これは、%文字(パーセント値)、または CSS の距離単位 (px、rem、deg、sなど)です。cssattr(data-size rem) attr(data-width px, inherit) attr(data-rotation deg)
<fallback-value>-
指定した属性が存在しないか、または不正な値が含まれている場合に使用する値です。
返値
attr() の返値は、名前が <attr-name> である HTML 属性の値で、指定された <attr-type> として構文解析されるか、 CSS 文字列として解釈されるかのどちらかです。
<attr-type> が設定されている場合、 attr() は属性を指定された <attr-type> に構文解析して返します。属性を指定された <attr-type> に構文解析できない場合、代わりに <fallback-value> が返されます。 <attr-type> が設定されていない場合、属性は CSS 文字列に解釈されます。
<fallback-value> が設定されていない場合、 <attr-type> が設定されていないときは返値は空文字列になり、 <attr-type> が設定されているときは保証された無効な値になります。
解説
>制限およびセキュリティ
attr() 関数は、ページ作成者がスタイル設定に使用することを意図しなかった属性、および機密情報(例えば、ページ上のスクリプトで使用されるセキュリティトークン)を含む可能性のある属性を参照することができます。通常、これは問題ありませんが、URL で使用するとセキュリティ上の脅威となる可能性があります。そのため、 attr() を使用して URL を動的に構築することはできません。
<!-- これは動作しません -->
<span data-icon="https://example.org/icons/question-mark.svg">help</span>
span[data-icon] {
background-image: url(attr(data-icon));
}
attr( ) を使用する値は、「attr() 汚染」としてマークされます。 attr() 汚染された値を <url> として、または <url> 内で使用すると、宣言は「計算値の時点において無効」(略して IACVT)となります。
後方互換性
一般的に、現行の attr() 構文は下位互換性があります。これは、<attr-type> を指定しない従来の使用方法が以前と同じ動作をするためです。コードに attr(data-attr) があることは、 attr(data-attr type(<string>)) またはより単純な attr(data-attr string)) と記述することと同じです。
ただし、現行の attr() 構文が旧構文とは異なった動作をする 2 つの特殊なケースが 2 つあります。
次のスニペットでは、現行の attr() 構文に対応していないブラウザーは、2 つ目の宣言を構文解析できないため、それを破棄します。これらのブラウザーでの結果は "Hello World" になります。
<div text="Hello"></div>
div::before {
content: attr(text) " World";
}
div::before {
content: attr(text) 1px;
}
現行の構文に対応しているブラウザーでは、出力は何も表示されません。これらのブラウザーは 2 つ目の宣言を正しく構文解析しますが、 content プロパティとしては不正なコンテンツであるため、宣言は「計算値の時点において無効」(略して IACVT)となります。
このような状況を防ぐには、機能検出を使用することをお勧めします。
2 つ目の特殊なケースは次のとおりです。
<div id="parent"><div id="child" data-attr="foo"></div></div>
#parent {
--x: attr(data-attr);
}
#child::before {
content: var(--x);
}
現行の構文に対応していないブラウザーでは、テキスト "foo" が表示されます。現行の attr() に対応しているブラウザーでは、出力はありません。
これは、 attr() が var() 関数を使用する独自のプロパティと同様に、計算値時点で置換されるためです。現行の動作では、 --x は最初に data-attr 属性を #parent 要素から読み込もうとします。しかし、 #parent にはそのような属性がないため、空文字列が取得されます。その空文字列は #child 要素に継承され、その結果、content: ; という宣言が設定されます。
このような状況にならないように、明示的にそうしたい場合を除き、継承された attr() の値を子に渡さないでください。
機能検出
現行の attr() の構文に対応しているかどうか、 @supports アットルールを使用して機能検出することができます。検査では、高度な attr() を(カスタムではない)CSS プロパティに代入してみてください。
例を示します。
@supports (x: attr(x type(*))) {
/* ブラウザ-は現行の attr() に対応している */
}
@supports not (x: attr(x type(*))) {
/* ブラウザーは現行の attr() に対応していない */
}
JavaScript では、CSS.supports() を使用して、同じ検査を行うことができます。
if (CSS.supports("x: attr(x type(*))")) {
/* ブラウザ-は現行の attr() に対応している */
}}
if (!CSS.supports("x: attr(x type(*))")) {
/* ブラウザーは現行の attr() に対応していない */
}
形式文法
<attr()> =
attr( <attr-name> <attr-type>? , <declaration-value>? )
<attr-name> =
[ <ident-token>? '|' ]? <ident-token>
<attr-type> =
type( <syntax> ) |
raw-string |
number |
<attr-unit>
<syntax> =
'*' |
<syntax-component> [ <syntax-combinator> <syntax-component> ]* |
<syntax-string>
<syntax-component> =
<syntax-single-component> <syntax-multiplier>? |
'<' transform-list '>'
<syntax-combinator> =
'|'
<syntax-string> =
<string>
<syntax-single-component> =
'<' <syntax-type-name> '>' |
<ident>
<syntax-multiplier> =
'#' |
'+'
<syntax-type-name> =
angle |
color |
custom-ident |
image |
integer |
length |
length-percentage |
number |
percentage |
resolution |
string |
time |
url |
transform-function
例
>content プロパティ
この例では、 data-foo という data-* グローバル属性の値を、<p> 要素のコンテンツの前に追加しています。
HTML
<p data-foo="hello">world</p>
CSS
[data-foo]::before {
content: attr(data-foo) " ";
}
結果
代替値の使用
Experimental: これは実験的な機能です。
本番で使用する前にブラウザー互換性一覧表をチェックしてください。
この例では、 data-browser という data-* グローバル属性の値を <p> 要素に追加しています。<p> 要素に data-browser 属性が存在しない場合、代替値「不明」を追加します。
HTML
<p data-browser="Firefox">私の好きなブラウザー:</p>
<p>あなたの好きなブラウザー:</p>
CSS
p::after {
content: " " attr(data-browser, "不明");
color: tomato;
}
結果
color 値
Experimental: これは実験的な機能です。
本番で使用する前にブラウザー互換性一覧表をチェックしてください。
この例では、 background-color の CSS 値を、 <div> 要素に割り当てられた data-background という data-* グローバル属性の値に設定しています。
HTML
<div class="background" data-background="lime">
ブラウザーが attr() の高度な使い方に 対応していない場合、背景は赤になるはずです。
</div>
CSS
.background {
background-color: red;
}
.background[data-background] {
background-color: attr(data-background type(<color>), red);
}
結果
距離の単位の使用
Experimental: これは実験的な機能です。
本番で使用する前にブラウザー互換性一覧表をチェックしてください。
この例では、data-rotation 属性は deg 単位に構文解析され、要素の回転を指定します。
HTML
<div data-rotation="-3">これは -3 度回転しています</div>
<div data-rotation="2">これ 2 度回転しています</div>
<div>これあh、代替値である 1.5deg の値を使用しています</div>
CSS
div {
width: fit-content;
transform-origin: 50% 50%;
rotate: attr(data-rotation deg, 1.5deg);
}
結果
attr() の値を <custom-ident> として解釈
Experimental: これは実験的な機能です。
本番で使用する前にブラウザー互換性一覧表をチェックしてください。
この例では、view-transition-name プロパティの値は、要素の id 属性から派生しています。この属性は、 <custom-ident> に構文解析され、view-transition-name が値として受け入れるものになります。
view-transition-name の結果の値は、card-1、card-2、card-3 などになります。
HTML
この HTML には 4 つのカードがあり、それぞれ異なる id 属性を持っています。そして「カードを切る」という <button> があり、これでカードを切ります。
<div class="cards">
<div class="card" id="card-1">1</div>
<div class="card" id="card-2">2</div>
<div class="card" id="card-3">3</div>
<div class="card" id="card-4">4</div>
</div>
<button>カードを切る</button>
CSS
カードはフレックスコンテナー内にレイアウトされます。
.cards {
display: flex;
flex-direction: row;
gap: 1em;
padding: 1em;
}
それぞれのカードで、attr() 関数は id 属性を取得し、それを <custom-ident> に構文解析します。これは、 view-transition-name プロパティの値として使用されます。カードに id が設定されていない場合は、代わりにフォールバック値 none が使用されます。
.card {
view-transition-name: attr(id type(<custom-ident>), none);
view-transition-class: card;
}
JavaScript
<button> が押されると、カードがシャッフルされます。これは、すべてのカードへの参照を含む配列の順序をランダム化し、それぞれのカードの order プロパティを新しい配列のインデックス位置に更新することで実現されています。
それぞれのカードを新しい位置にアニメーションするために、ビュー遷移を使用します。これは、order の更新を document.startViewTransition の呼び出しで囲むことで実現します。
const shuffle = (array) => {
for (let i = array.length - 1; i >= 0; i--) {
const j = Math.floor(Math.random() * (i + 1));
[array[i], array[j]] = [array[j], array[i]];
}
};
document.querySelector("button").addEventListener("click", (e) => {
const $cards = Array.from(document.querySelectorAll(".card"));
shuffle($cards);
document.startViewTransition(() => {
$cards.forEach(($card, i) => {
$card.style.setProperty("order", i);
});
});
});
結果
仕様書
| Specification |
|---|
| CSS Values and Units Module Level 5> # attr-notation> |
ブラウザーの互換性
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