Firefox 61 for developers
Firefox 61 は、米国時間 2018 年 6 月 26 日 にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 61 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
>開発者ツール
-
アクセシビリティインスペクター を実装しました。
-
ブラウザーコンソール と ブラウザーツールボックス で、新しい意匠のコンソール UI をデフォルトで有効化しました (Firefox バグ 1362023/Firefox バグ 1347127)。古い UI は削除しました。
-
ネットワークモニター で
POSTリクエストのコンテキストメニューの [新しいタブで開く] をクリックすると、想定どおりのPOST引数を付加したリクエストを正しく再送信するようになりました (Firefox バグ 1407515)。 -
それぞれの変数にどの色の値が保存されているかを明確にするため、色見本をつけて CSS 変数のオートコンプリート を行うようになりました (Firefox バグ 1451211)。
- さらに、CSS 変数名にマウスポインターを載せると、変数に保存されている色の値をツールチップで表示します (Firefox バグ 1431949)。
-
ツールボックスのメインツールバーを再設計しました。主要な変更点は、新しいオーバーフロードロップダウンメニューによりビューポートの広さにかかわらず応答性が向上、ミートボールメニューをクリーンアップ、もっとも使用するパネルを前方に移動できるタブの並べ替え機能です (Firefox バグ 1226272)。
-
ネットワークモニター のツールバーに、'HAR 形式ですべてコピー'、'HAR 形式ですべて保存'、'Import...' コマンドへ簡単にアクセスできるドロップダウンメニューを追加しました (Firefox バグ 1403530)。
-
ネットワークモニターの詳細ペインに Cache タブ を追加しました。以前キャッシュしたリソースに関する詳細情報を表示します (Firefox バグ 859051)。
-
ネットワークモニターのメインツールバーを、小さなビューポートでも使いやすく、またコンソールのツールバーに合うように再設計しました。
-
ネットワークモニターのメインツールバーに、以前は レスポンシブデザインモード のみで使用可能であった Throttling ドロップダウンメニューを追加しました。さまざまなネットワーク速度の状況をエミュレーションするために、ネットワーク速度を制限できます (Firefox バグ 1349559)。
-
パフォーマンス上の理由で、ブラウザーコンソールはデフォルトで CSS エラーを非表示にしました (Firefox バグ 1452143)。
-
ブラウザーコンソールに、ブラウザーを再起動するコマンドが含まれています。
Ctrl
+
Alt
+
R
(Windows、Linux) または
Cmd
+
Alt
+
R
(Mac) を押下するとブラウザーを再起動して、再起動前と同じタブを開きます。
-
開発ツールの web extension API である
devtools.network.onRequestFinished(Firefox バグ 1311171) およびdevtools.network.getHAR(Firefox バグ 1311177) を実装しました (har-export-trigger のような拡張機能を実現できます) -
Firebug のユーザーが開発ツールへの移行を完了しましたので、Firebug テーマを削除しました (Firefox バグ 1378108)。
HTML
変更なし。
CSS
-
CSS のパース処理を並列化しました (Firefox バグ 1346988)。
-
font-variation-settingsおよびfont-optical-sizingのサポートを、デフォルトで有効にしました (Firefox バグ 1447163)。 -
grid-gap、grid-row-gap、grid-column-gapプロパティをgap、row-gap、column-gapに改名しました。これらはグリッド固有のプロパティではなくなりました (Firefox バグ 1398482)。詳しくは Box alignment; Gaps between boxes をご覧ください。ウェブ互換性のために、古い名称を別名として維持しています。 -
flex-basisの値contentをサポートしました (Firefox バグ 1105111)。 -
column-gapのパーセンテージ値を、CSS 段組みレイアウト でサポートしました (Firefox バグ 1398537)。 -
CSS の
:host擬似クラスをサポートしました。これは、shadow DOM 内のカスタム要素を選択します (Firefox バグ 992245)。 -
overflowが 2 値構文を受け入れるようになりました (Firefox バグ 1453148)。 -
内容物によってサイズが決まる Flex アイテムは、
fit-contentではなくmax-contentを使用してサイズが決まるようになりました (Firefox バグ 1282821)。これらの値について、詳しくはwidthの値の定義 をご覧ください。 -
font-weight、font-stretch、font-styleで、CSS Fonts level 4 で定義された追加の値をサポートしました (Firefox バグ 1436048):font-weightは、1 から 1000 の間 (両端の値を含む) の浮動小数点数を受け入れます。font-stretchは、パーセンテージ値を受け入れます。font-styleは、obliqueキーワードの後の角度の値を受け入れます。
-
前の項目で言及した 3 つのプロパティに対応する、
@font-faceの記述子でも前出の新しい構文をサポートしました。また、font-face がサポートする記述子の値の範囲を指定する 2 値構文もサポートしました (Firefox バグ 1436061、Firefox バグ 1436048)。
SVG
- HTML の
<a>要素に一致させるため、SVG の<a>要素 (SVGAElement) 要素にping、rel、referrerPolicy、relList、hreflang、type、textプロパティを追加しました (Firefox バグ 1451823)。 <textPath>要素 (SVGTextPathElement) で SVG2 のpathおよびside属性をサポートしました (Firefox バグ 1446617 および Firefox バグ 1446650)。SVGGeometryElementインターフェイスで、<path>要素だけでなく、より多くの要素をサポートしました (Firefox バグ 1325320)。
JavaScript
String.prototype.trimStart()およびString.prototype.trimEnd()メソッドを実装しました (Firefox バグ 1434007)。trimLeftおよびtrimRightは、ウェブ互換性のために別名として残しています。
API
新規 API
PerformanceServerTimingAPI を実装しました。これはServer-Timingヘッダーによって送信する、サーバーサイドのメトリックを明らかにします (Firefox バグ 1423495)。
DOM
anchors、applets、embeds、forms、head、images、links,plugins、scriptsプロパティを、HTMLDocumentインターフェイスからDocumentインターフェイスに移しました (Firefox バグ 1415588)。DOMTokenList.replace()の戻り値が void から、置換が成功したかを示すブーリアン値に変わりました (Firefox バグ 1444909)。- Fetch API の
Request.credentialsプロパティの既定値が、最新版の仕様書に応じて"same-origin"になりました (Firefox バグ 1394399)。 Request.destinationプロパティを実装しました (Firefox バグ 1402892)。MutationObserverのオプションディクショナリーであるMutationObserverInitで、すべての Boolean 型プロパティが既定値としてfalseを持たなくなりました。childListおよびsubtreeだけが既定値 (依然としてfalse) を持ちます。ほかのプロパティは既定値がありません (Firefox バグ 973638)。- 決済リクエスト API の
PaymentRequest.show()メソッドで、クライアントサイドのコードが支払いインターフェイスを活性化する前に更新された支払いの詳細情報を提供できるようにするため、Promiseの使用をサポートしました (Firefox バグ 1441709)。
DOM イベント
変更なし。
Service workers
- Firefox のカスタマイズで追加できる "忘れる" ボタンで、service workers とそのキャッシュを消去するようになりました (Firefox バグ 1252998)。
Web Audio、メディアと WebRTC
AudioContext()コンストラクターが、AudioContextOptions型の引数options(省略可能) を受け入れるようになりました。これは、新しいコンテキストで望ましいレイテンシーやサンプルレートを設定できます。AudioBufferのインスタンス化が失敗したときに、正しい例外が発生するようになりました。
WebVR
- macOS で、WebVR API がデフォルトで有効になりました (Firefox バグ 1244242)。
Canvas と WebGL
変更なし。
CSSOM
CSSStyleRule.selectorTextプロパティを完全に実装して、読み取り専用ではなくなりました (Firefox バグ 37468)。MediaListインターフェイスの実装を、仕様書に若干近づけました。まだ完全ではありません。例えば、stringifier 属性は未実装です (Firefox バグ 1455807)。
HTTP
- Cookie の
SameSiteディレクティブを実装しました。Set-Cookie および HTTP cookies をご覧ください (Firefox バグ 795346)。
ネットワーク
- Firefox 61 以降では、HTML コンテンツからサブリソースを読み込む際に FTP プロトコル (すなわち、
"ftp://"スキームの URL) の使用をサポートしません。URL バーに直接入力したトップレベル URL や、単独のドキュメントとして読み込む際の FTP は引き続きサポートします (Firefox バグ 1404744)。
セキュリティ
変更なし。
プラグイン
変更なし。
その他
変更なし。
ウェブプラットフォームから廃止
>Developer tools
Cmd/Ctrl + Shift + O で開発ツールのオプションを開く/閉じることができなくなりました。代わりに F1 を使用します (Firefox バグ 1409456)。
HTML
変更なし。
CSS
@-moz-documentを、content ページで無効化しました (Firefox バグ 1422245)。
API
FileインターフェイスのlastModifiedDateプロパティを削除しました (Firefox バグ 1458883)。Node.getUserData()およびNode.setUserData()メソッドを、プラットフォームから完全に削除しました (Firefox バグ 749981)。Element.createShadowRoot()メソッドを削除しました。代わりにElement.attachShadow()を使用してください (Firefox バグ 1453789)。URL.createObjectURL()メソッドのMediaStreamオーバーロードを削除しました (Firefox バグ 1454889)。
SVG
-
非推奨の (そして適切に実装されたことがない)
SVGViewElement.viewTargetプロパティを削除しました (Firefox バグ 1455763)。 -
以下の非推奨プロパティを
SVGSVGElementから削除しました (Firefox バグ 1133172):pixelUnitToMillimeterXpixelUnitToMillimeterYscreenPixelToMillimeterXscreenPixelToMillimeterY
-
非標準の
SVGNumber()コンストラクターを削除しました (Firefox バグ 1455940)。
その他
変更なし。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
>WebExtensions
- オートコンプリートのポップアップで、テーマが適用可能になりました (Firefox バグ 1417883)。
tabs.onUpdatedがフィルターのテンプレートを持つようになりました (Firefox バグ 1329507)。browserSettings.overrideDocumentColorsを使用して、既定のドキュメントの色をオーバーライドできるようになりました (Firefox バグ 1417810)。- tabs.query が、いくつかの有用な検索/フィルターのオプション引数によって最適化されました (Firefox バグ 1445316)。
about:addons設定ページからpermissions.requestを使用可能になりました (Firefox バグ 1382953)。browserSettings.useDocumentFontsプロパティを使用して、ウェブページで指定されたフォントではなくシステムフォントを強制的に使用させることが可能になりました (Firefox バグ 1400805)。browserSettings.openUrlbarResultsInNewTabsプロパティを使用して、ブラウザーの検索オートコンプリートで、現在のタブではなく新しいタブを自動的に開くことが可能になりました (Firefox バグ 1432645)。- マニフェストの theme のプロパティである
toolbar、toolbar_text、toolbar_field、toolbar_field_text、toolbar_field_borderが、検索バーにも適用されるようになりました (Firefox バグ 1418605)。 sidebarAction.getPanel()、sidebarAction.getTitle()、sidebarAction.setPanel()、sidebarAction.setTitle()、sidebarAction.setIcon()で、機能を特定のウィンドウに限り設定および取得できるようにするためのwindowIdが指定可能になりました (Firefox バグ 1390464)。tabs.hide()およびtabs.show()をデフォルトで有効化しました (Firefox バグ 1455040)。- 拡張機能が最初にタブを隠すときに、ブラウザーはタブが隠されたこと、隠されたタブにアクセスする方法、および拡張機能を無効化する設定をユーザーに対して表示します (Firefox バグ 1438363)。
関連情報
過去のバージョン
- Firefox 60 for developers
- Firefox 59 for developers
- Firefox 58 for developers
- Firefox 57 for developers
- Firefox 56 for developers
- Firefox 55 for developers
- Firefox 54 for developers
- Firefox 53 for developers
- Firefox 52 for developers
- Firefox 51 for developers
- Firefox 50 for developers
- Firefox 49 for developers
- Firefox 48 for developers
- Firefox 47 for developers
- Firefox 46 for developers
- Firefox 45 for developers
- Firefox 44 for developers
- Firefox 43 for developers
- Firefox 42 for developers
- Firefox 41 for developers
- Firefox 40 for developers
- Firefox 39 for developers
- Firefox 38 for developers
- Firefox 37 for developers
- Firefox 36 for developers
- Firefox 35 for developers
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers
- Firefox 30 for developers