Firefox 143 for developers
このページでは、開発者に影響する Firefox 143 の変更点をまとめています。 Firefox 143 は、米国時間 2025 年 9 月 16 日 にリリースされました。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
>HTML
type="color"
の<input>
要素が#ff6699
のような 16 進記法だけでなく、たとえばoklab(50% 0.1 0.1 / 0.5)
などすべての CSS<color>
値を受け入れるようになりました (Firefox bug 1965029)。
CSS
::details-content
擬似要素をデフォルトで有効にしました。これは、<details>
要素の内容物にスタイルを設定できます (Firefox bug 1941406)。::before
または::after
擬似要素を使用して生成したリストアイテムに、::marker
擬似要素を使用してスタイル設定が可能になりました。これは::before::marker
および::after::marker
セレクターを使用して実現します (Firefox bug 1980215)。- マルチパスのグリッドトラックサイズ調整がデフォルトで有効になり、CSS グリッド仕様書で示されているアルゴリズムに従うようになりました。マルチパスアルゴリズムでは、はじめに列のサイズを決めてから行のサイズを決めます。また、コンテナーのサイズが決まった後にパーセンテージ値を解決します。このデフォルトのサポートで、パーセンテージに基づく 行トラックやアスペクト比を伴うグリッドアイテムが、多くのケースで正しくサイズ調整されます (Firefox bug 1957244)。
JavaScript
変更なし。
API
廃止
- 非推奨の
CompositionEvent.locale
プロパティのサポートを廃止しました (Firefox bug 1700969)。
WebDriver への適合 (WebDriver BiDi, Marionette)
WebDriver BiDi
browsingContext.contextCreated
イベントを、このイベントを購読しているときに開いているすべてのコンテキストへ発行するように更新しました (Firefox bug 1754273)。network
モジュールに、ネットワークデータの記録を可能にする新たなコマンドを実装しました:network.addDataCollector
は、ネットワークデータコレクターをcontexts
、userContexts
、またはグローバルに追加します。コレクターは、指定したdataTypes
に対応するネットワークデータを記録します。現在は "response" データタイプのみサポートしています。またmaxEncodedDataSize
の指定も必要であり、このサイズを超えるネットワークデータは記録されません (Firefox bug 1971778)。network.removeDataCollector
は、過去に追加したネットワークデータコレクターを削除します (Firefox bug 1971781)。network.getData
は、指定したrequest
ID、dataType
およびcollector
ID (省略可) に基づいて収集したデータを取得します。collector
ID を指定した場合、クライアントはコレクターからネットワークデータを解放するためにdisown
フラグも渡します。データはどのコレクターも所有しなくなったときに削除されることに注意してください (Firefox bug 1971780)。network.disownData
は指定したrequest
ID およびdataType
に基づいて、collector
ID からデータを解放します (Firefox bug 1971779)。
emulation.setLocaleOverride
が、新規作成したクロスオリジンのインラインフレームにオーバーライドを適用しない不具合を修正しました (Firefox bug 1978533)。session.subscribe
など複数のコマンドが、いずれかのタブがアンロードされた場合に失敗する不具合を修正しました (Firefox bug 1949037)。url
プロパティに基本認証の資格情報が含まれるように、browsingContext.navigationCommitted
イベントを修正しました (Firefox bug 1980137)。
アドオン開発者向けの変更点一覧
storage.StorageArea.getKeys()
を追加しました。このメソッドは、ストレージ領域にあるすべてのキーを保存した配列を返します。これはsync
、local
、session
、managed
といったすべてのストレージ領域で使用できます (Firefox bug 1910669)。- アドレスバー (omnibox) で提案した拡張機能をユーザーが選択する、すなわち
omnibox.onInputEntered
が発生する操作を ユーザーアクション とみなすようになりました。アドレスバーで拡張機能の提案を選択すると、ユーザーアクションが必要な API の有効化に加えて"activeTab"
パーミッションも与えられます。
実験的なウェブ機能
-
text-autospace
:layout.css.text-autospace.enabled
text-autospace
CSS プロパティは、Chinese/Japanese/Korean (CJK) 文字と CJK 以外の文字の間に空白を入れるかを指定できます。現在、これらの値は解析されるだけであり表示への影響はありません (Firefox bug 1869577)。 -
WebGPU 外部テクスチャ:
dom.webgpu.external-texture.enable
動画フレームや要素から外部テクスチャをインポートするための、
GPUExternalTexture
インターフェイスおよびGPUDevice.importExternalTexture()
メソッドをサポートしました (Firefox bug 1979100)。
以下の機能は Firefox 143 で導入しましたが、デフォルトで無効です。
これらを実験するには、about:config
ページで適切な設定項目を検索して true
に設定してください。
実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。