Firefox 63 for developers

Firefox 63 は、米国時間 2018 年 10 月 23 日 にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 63 の変更点をまとめています。

ウェブ開発者向けの変更点一覧

開発者ツール

HTML

廃止

  • sidebar リンクタイプ (rel="sidebar") のサポートを廃止しました。アンカータグがこの属性を含んでいても、属性が無視されます (Firefox バグ 1452645)。

CSS

廃止

  • offset-block-startoffset-block-endoffset-inline-startoffset-inline-end を削除しました。これらは前述のとおり inset-* に改名されました (Firefox バグ 1464782)。

SVG

変更なし。

JavaScript

廃止

  • WebAssembly Module で、実験的な IndexedDB のシリアライズのサポートを廃止しました (Firefox バグ 1469395)。

API

新規 API

DOM

DOM イベント

  • キーボードの右側にある

    Alt

    キーの扱いが、Windows で改善しました。ユーザーの現在のキーボードレイアウトで

    Alt

    キーが

    AltGr

    モディファイアキーにマッピングされている場合に、KeyboardEvent.key"AltGraph" として値を返します。これは最近 Chrome に導入された動作に合致します (Firefox バグ 900750)。

メディア、Web Audio、WebRTC

  • マイクへのアクセスが、同じコンテンツプロセス内でも複数のタブで同時に動作するようになりました (Firefox バグ 1404977)。
  • RTCDataChannel を、以前からサポートしていた旧来の sctp-sdp-05 データ形式に加えて、sctp-sdp-21 データ形式をサポートするように更新しました。
  • Web Audio API の ConstantSourceNode ノード型で、仕様書に合わせるためデフォルトのチャンネル数を 1 から 2 に変更しました (Firefox バグ 1413283)。
  • Web Audio APIAudioScheduledSourceNode インターフェイス (および拡張によって、このインターフェイスを基にしたすべてのノード) でノードの開始時間として負の値が指定されたときに、正しい例外が発生するようになりました。そのエラーは RangeError です (Firefox バグ 1413284)。
  • AudioParam オブジェクトの value で許可される最小値と最大値を、それぞれ単精度浮動小数点数で最小の負の値 (-340,282,346,638,528,859,811,704,183,484,516,925,440) と最大の正の値 (+340,282,346,638,528,859,811,704,183,484,516,925,440) に変更しました (Firefox バグ 1476695)。
  • アクティブなストリームのコーデックを変更できる、{domxref("SourceBuffer.changeType")}} メソッドをデフォルトで有効にしました。これは Media Source Extensions API の一部です (Firefox バグ 1481166)。
  • AudioParam.setValueCurveAtTime() メソッドを、引数の値が次第に変わることを示すために浮動小数点数値の配列を受け入れるように更新しました。以前は Float32Array であることが必要でした (Firefox バグ 1421091)。
  • また AudioParam.setValueCurveAtTime() が、values の配列に有限ではない値が存在する場合に、TypeError を正しく返すようになりました (Firefox バグ 1472095)。
  • さらに setValueCurveAtTime() で、時間が経過した後に指定した値のカーブに従って引数が終了したとき、引数の値がカーブの値のリストの最後の値に設定されるようになりました (Firefox バグ 1308436)。
  • ほかのディクショナリーや仕様書に合わせて、RTCRTPStreamStats ディクショナリーを RTCRtpStreamStats に改名しました (Firefox バグ 1480498)。
  • RTCRtpStreamStats ディクショナリーの kind プロパティをサポートしました (Firefox バグ 1481851)。
  • RTCRtpStreamStats ディクショナリーの isRemote プロパティが推奨になりました。Firefox 65 で削除する予定です。このプロパティにアクセスすると、コンソールに警告を表示します。詳しくは Advancing WebRTC ブログの投稿 をご覧ください (Firefox バグ 1393306)。

Canvas と WebGL

  • HTMLCanvasElement.getContext() に、新しい powerPreference コンテキスト属性を追加しました。macOS ではパフォーマンスを重視しない WebGL のアプリケーションやアプレットが、マルチ GPU のシステムで高性能な GPU ではなく低消費電力の GPU を要求することができます (Firefox バグ 1349799)。

廃止

CSSOM

変更なし。

HTTP

セキュリティ

  • サイトで Content Security Policy が設定されている場合に、favicon も CSP に従うようになりました (Firefox バグ 1297156)。
  • CSP の違反レポートを生成するとき、script-src ディレクティブの 'report-sample' 式を認識するようになりました。このディレクディブは、違反が発生した場所の短いサンプルをレポートに含めるべきであることを示します。以前は、Firefox は常にサンプルを含めていました (Firefox バグ 1473218)。
  • Firefox が NSS 3.39 を使用するようになりました (Firefox バグ 1470914)。

プラグイン

変更なし。

WebDriver conformance (Marionette)

新機能

  • Marionette が WebDriver:NewSession の応答で setWindowRect capability を返すようになりました。これは、ブラウザーのウィンドウの移動やリサイズが可能である場合 (例えばモバイルアプリケーション以外の Firefox) に true になります (Firefox バグ 1470659)。
  • unhandledPromptBehavior capability をサポートしました。これは、WebDriver 仕様の特定の prompt behavior を定義できます (Firefox バグ 1264259)。
  • WebDriver:ExecuteScript および WebDriver:ExecuteAsyncScript コマンドに、ユーザープロンプトの処理を追加しました (Firefox バグ 1439995)。

API の変更点

  • WebDriver: 接頭辞がない、非推奨のコマンドエンドポイントを削除しました (Firefox バグ 1451725)。
  • WebDriver:NewSession コマンドが、platformName について WebDriver 仕様で定義されている推奨文字列 (linuxmacwindows) を返すようになりました (Firefox バグ 1470646)。

バグ修正

  • Firefox が最前面のアプリケーションではないとき、要素との対話でフォーカスに関するイベントが失われる問題を修正しました (Firefox バグ 1398111)。
  • WebDriver:ReleaseActions がダブルクリックのトラッカーをリセットしないため、一連のアクションで pointerDown および pointerUp アクションを実行するとダブルクリックが発生する問題を修正しました (Firefox バグ 1422583)。
  • pause アクションを繰り返し実行するとハングアップする問題を修正しました (Firefox バグ 1447449)。
  • WebDriver:ExecuteScriptWebDriver:ExecuteAsyncScript が返す要素コレクションで循環参照エラーが発生する場合がある問題を修正しました (Firefox バグ 1447977)。
  • WebDriver:AcceptAlert および WebDriver:DismissAlert コマンドの競合を防ぐため、ユーザープロンプトが閉じられるまで待つようになりました (Firefox バグ 1479368)。
  • フレームのスクリプトから発生したログが MarionettePrefs.logLevel で制限されず、すべて記録される問題を修正しました (Firefox バグ 1482829)。
  • 幅または高さが 32767 ピクセルを超えるウィンドウのスクリーンショットを取得するとき、WebDriver:TakeScreenshot でエラーが発生する問題を修正しました (Firefox バグ 1485730)。
  • 送信したテキストが空文字列である場合に、WebDriver:SendAlertText がユーザープロンプトの値を置き換えない問題を修正しました (Firefox バグ 1486485)。

その他

  • PerformanceObserver.observe() の動作を、指定したエントリータイプの配列に有効な値が見つからない場合や、配列が空または存在しない場合に、単に何もしないように修正しました。以前は、Firefox は誤って TypeError を発生させていました (Firefox バグ 1403027)。
  • OpenSearch で、検索 URL の型として application/json を、application/x-suggestions+json の別名として受け入れるようになりました (Firefox バグ 1425827)。

アドオン開発者向けの変更点

API の変更点

テーマ

  • browserAction バッジのデフォルトの文字色が、背景とのコントラストを最大化するため、自動的に黒色か白色に設定されるようになりました (Firefox バグ 1474110)。

  • theme マニフェストキーの accentcolor および textcolor プロパティが省略可能になりました (Firefox バグ 1413144)。

  • browserAction.getBadgeTextColor() および browserAction.setBadgeTextColor() で、ブラウザーのアクションバッジの文字色を取得および設定できるようになりました (Firefox バグ 1424620)。

  • manifest.json のテーマ colors キーで、新しいタブの文字色を設定する ntp_text プロパティと、新しいタブの色を設定する ntp_background プロパティをサポートしました (Firefox バグ 1347204)。

  • ブックマークサイドバーなど、サイドバーの色をテーマで定義可能になりました (Firefox バグ 1418602)。関連プロパティ:

    • sidebar: サイドバーの背景色。
    • sidebar_text: サイドバーの文字色。
    • sidebar_highlight: サイドバーで選択したアイテムの背景色。
    • sidebar_highlight_text: サイドバーで選択したアイテムの文字色。
  • management.install() メソッドで、ブラウザー拡張機能が署名付きブラウザーテーマをインストールできます (Firefox バグ 1369209)。

検索

  • インストール済みの検索エンジンの一覧を取得したり、それらで検索を行ったりすることが可能な、新しい search API が使用可能になりました (Firefox バグ 1352598)。
  • topSites.get() で、サイトが返すさまざまなリストのオプションを設定可能な options 引数をサポートしました (Firefox バグ 1445836)。

タブ

  • tabs.onHighlighted で複数選択をサポートしました (Firefox バグ 1474440)。
  • tabs.highlight で、highlightInfo オブジェクトに省略可能なフィールドである populate を追加しました。既定値は true です。false に設定するとパフォーマンスを向上させるため、返される windows.Window がタブのリストを持たないようになります (Firefox バグ 1489814)。
  • tabs.update で、updateProperties 引数内に highlighted: true を含むことによる、タブの選択状態の変化をサポートしました (Firefox バグ 1479129)。
  • tabs.update で、updateProperties 引数内に highlighted: true および active: false を含むことにより、フォーカスがあるタブを変えずにタブの選択状態を変更できるようになりました (Firefox バグ 1486050)。
  • tabs.query で、複数のタブが選択されている場合に tabs.Tab オブジェクトの配列を返すようになりました (Firefox バグ 1465170)。
  • tabs.Tab プロパティが、ブラウザーウィンドウでどのタブが選択 (ハイライト) されているかを適切に反映するようになりました。また tabs.highlight で、複数のタブのハイライト状態の変化をサポートしました (Firefox バグ 1464862)。
  • tabs.onUpdated に渡される extraParametersisarticle プロパティを isArticle に改名しました。古い名前は残されていますが、非推奨です。この変更は Firefox 62 に適用されました (Firefox バグ 1461695)。
  • tabs.onUpdated イベントを使用して、changeInfo オブジェクトの attention プロパティでタブがユーザーの注意を引いていることを検出できます (Firefox バグ 1396684)。

メニュー

その他

関連情報

過去のバージョン