Firefox 62 for developers
Firefox 62 は、米国時間 2018 年 9 月 5 日 にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 62 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
開発者ツール
- シェイプパスエディターがデフォルトで有効になりました。詳しくは CSS shapes を編集する をご覧ください。
- ルールビューを CSS ペインのほかのタブから切り離して、個別のペインに分けることが可能になりました。詳しくは ページインスペクターの 3 ペインモード をご覧ください。
- グリッドインスペクターの機能を更新して、ドキュメントも新たに作成しました。CSS Grid Inspector: Examine grid layouts をご覧ください。
- 開発ツールの位置を 4 か所から選択できるようになりました。既定の位置であるウィンドウの下部に加えて、ウィンドウの左側および右側や、個別のウィンドウに配置できます (バグ 1192642)。
- コンソールペイン のツールバーに、閉じるボタンを追加しました。
- 設定の "現在の対象ドキュメントとして読み込む iframe を選択します" にチェックが入っているとき、設定タブを開いている間は現在のページに iframe が含まれていない場合でもツールバーにアイコンを表示します (バグ 1456069)。
- ネットワークモニター の Cookie タブ で、Cookie の
samesite
属性を表示するようになりました (バグ 1452715)。 - レスポンシブデザインモード が、コンテナータブ内で動作するようになりました (バグ 1306975)。
- CORS のエラーが発生してコンソールに報告されているとき、Firefox がエラーに対応する CORS エラーのドキュメント へのリンクを提供するようになりました (バグ 1475391)。
- 以下のコマンドを使用して、コンソールタブで現在のページのスクリーンショットを作成できるようになりました (ファイル名も指定可能です) (バグ 1464461):
:screenshot <filename.png> --fullpage
<filename.png>
は、希望するファイル名です。このファイルは、ダウンロードフォルダーに保存されます。--fullpage
は省略可能なパラメーターであり、指定するとウェブページ全体を保存します。また、ファイル名に-fullpage
を付加します。このコマンドで使用可能なすべてのオプションは、:screenshot --help
で表示できます。
廃止
- 開発ツールバー/GCLI (Shift + F2 で使用可能) を Firefox から削除しました (バグ 1461970)。開発ツールバーの UI と GCLI の上流ライブラリーの両方がメンテナンスされなくなり、一部の機能が (いくつかは e10s のため) が動作していません。また、
unsafeSetInnerHTML
の動作を妨げています。使用する機会もとても少なく、ほとんどのコマンドに代替策があります。
HTML
変更なし。
CSS
:-moz-selection
の接頭辞を削除して::selection
になりました (バグ 509958).<resolution>
型で、x
を単位としてサポートしました (バグ 1460655)。shape-margin
、shape-outside
、shape-image-threshold
をデフォルトで有効化しました (バグ 1457297)。
廃止
-moz-box
および-moz-inline-box
を除く、XUL のdisplay
の値 を、XUL 以外のドキュメントでは廃止しました (バグ 1288572)。
SVG
変更なし。
JavaScript
WebAssembly.Global()
コンストラクターを、WebAssembly のグローバル変数とともにサポートしました (バグ 1464656)。Array.prototype.flat()
およびArray.prototype.flatMap()
メソッドをデフォルトで有効化しました (バグ 1435813)。- コンテキスト固有のメタデータを JavaScript モジュールに公開するための、
import.meta
プロパティを実装しました (バグ 1427610)。 - JavaScript の 文字列リテラル で、U+2028 LINE SEPARATOR や U+2029 PARAGRAPH SEPARATOR の文字を直接含めることが可能になりました。この結果、
JSON
構文が JavaScript リテラル構文のサブセットになりました (バグ 1435828 および TC39 提案 json-superset)。 - 型付き配列 の境界を超える添字に対して、
Reflect.defineProperty()
およびReflect.set()
がtrue
ではなくfalse
を返すようになりました (バグ 1308735)。
廃止
DOMPoint
およびDOMPointReadOnly
コンストラクターでDOMPointInit
型の入力引数をサポートしなくなりました。値はx
、y
、z
、w
の引数で指定しなければなりません (バグ 1186265)。URL.createObjectURL()
メソッドで、MediaStream
を表す URL のオブジェクトを作成できなくなりました。単純にHTMLMediaElement.srcObject
をMediaStream
に直接設定できるようになったため、この機能はかなりの間すたれていました (バグ 1454889)。
API
新規 API
- Speech Synthesis API (Text-to-Speech) を、Android 版 Firefox でデフォルトで有効化しました (バグ 1463496)。
DOM
DOMPointReadOnly
(en-US) インターフェイスでDOMPointReadOnly.fromPoint()
(en-US) 静的関数をサポートしました。これはDOMPointInit
(en-US) と互換性があるディクショナリーから新しい座標オブジェクトを作成するものであり、DOMPoint
(en-US) オブジェクトを含みます。この関数はDOMPoint
(en-US) でも使用できます (バグ 1186265)。- 互換性の理由で、
Event.srcElement
プロパティをサポートしました。これはEvent.target
の別名です (バグ 453968)。 Navigator.registerProtocolHandler()
が、安全なコンテキストに限り呼び出し可能になりました (バグ 1460506)。- しばらく前から廃止扱いであった
Navigator.registerContentHandler()
メソッドが、完全に削除するための準備としてデフォルトで無効になりました (バグ 1460481)。 DataTransfer()
コンストラクターを実装しました (バグ 1351193)。Document.domain
がnull
を返さないようになりました (バグ 819475)。ドメインを識別できないとき、domain
はnull
ではなく空文字列を返します。- 時間を追跡し続けている間に、コンソールのタイマーの現在の値を表示するための
Console.timeLog()
(en-US) メソッドを追加しました (バグ 1458466)。 - コンソールのカウンターの値をリセットする
Console.countReset()
を追加しました (バグ 1459279)。
DOM イベント
変更なし。
Service workers
変更なし。
メディア、Web Audio、WebRTC
- 設定項目
"media.autoplay.enabled"
で、動画メディアだけでなく音声メディアの自動再生も制御するようになりました (バグ 1413098)。 ChannelSplitterNode
(en-US) で、仕様書に従ってデフォルトで 6 つのチャンネルを持ち、channelInterpretation
に"discrete"
を設定、さらにchannelCountMode
に"explicit"
を正しく設定するように修正しました (バグ 1456265)。
廃止
userproximity
およびdeviceproximity
イベント (UserProximityEvent
およびDeviceProximityEvent
もご覧ください) を設定項目device.sensors.proximity.enabled
で、デフォルトで無効化しました (バグ 1462308)。devicelight
イベント (DeviceLightEvent
もご覧ください) を設定項目device.sensors.ambientLight.enabled
で、デフォルトで無効化しました (バグ 1462308)。DOMSubtreeModified
およびDOMAttrModified
ミューテーションイベント (en-US) は、CSSOM によってstyle
属性が変更されたときに発生しないようになりました (バグ 1460295).CSSStyleDeclaration.getPropertyCSSValue()
のサポートを廃止しました (バグ 1408301)。CSSValue
、CSSPrimitiveValue
(en-US)、CSSValueList
(en-US) のサポートを廃止しました (バグ 1459871)。window.getComputedStyle()
が表示するものがないWindow
で呼び出されたときに、null
を返さないようになりました (バグ 1467722)。
HTTP
廃止
- CSP の非推奨ディレクティブである
referrer
を削除しました。代わりにReferrer-Policy
ヘッダーを使用してください (バグ 1302449)。
セキュリティ
変更なし。
プラグイン
変更なし。
WebDriver conformance (Marionette)
新機能
WebDriver:ElementSendKeys
が、ファイルのアップロードについて WebDriver に適合しました (バグ 1448792)。WebDriver:Get
、WebDriver:Back
、WebDriver:Forward
、WebDriver:Refresh
、WebDriver:Close
コマンドで、beforeunload
イベントによって発生するユーザープロンプトが自動的に閉じられるようになりました (バグ 1434872)。- Ctrl +
Click
のWebDriver:PerformActions
が、contextmenu (en-US)
イベントを合成します (バグ 1421323)。
API の変更点
getWindowPosition
、setWindowPosition
、getWindowSize
、setWindowSize
を含む、廃止されたエンドポイントを削除しました (バグ 1348145)。null
データとともに成功を返す WebDriver コマンドが、空のディレクトリーを返すようになりました (バグ 1461463)。
バグ修正
- WebElement コレクションに対して、
WebDriver:ExecuteScript
が周期的に参照エラーを起こす問題を修正しました (バグ 1447977)。 pointerMove
またはpause
のアクションを実行するとハングアップが発生して、コマンドの応答がなくなる問題を修正しました (バグ 1467743、バグ 1447449)。
その他
変更なし。
アドオン開発者向けの変更点
API の変更点
- TLS 接続を詳しく調査するための webRequest.getSecurityInfo() (en-US) API を追加しました (バグ 1322748)。
- 新しいタブを開く場所を設定する browserSettings.newTabPosition (en-US) を追加しました (バグ 1344749)。
- windows.get() (en-US)、windows.getCurrent() (en-US)、windows.getLastFocused() (en-US) で
windowTypes
が非推奨になりました (バグ 1419132)。 - ウィンドウごとにブラウザーのアクションを変更可能になりました (バグ 1419893)。
マニフェストの変更点
sidebar_action
マニフェストキーで、インストール時に自動的にサイドバーを開くか否かを拡張機能で制御するためのopen_at_install
プロパティを追加しました (バグ 1460910)。- さまざまなマニフェストキーで
browser_style
プロパティを変更しました:page_action
およびbrowser_action
で、既定値がfalse
になりました。sidebar_action
およびoptions_ui
で、既定値がtrue
になりました。
テーマの変更点
theme
マニフェストキーで、タブのセパレーターの色を拡張機能から変更可能にするtab_background_separator
プロパティを追加しました (バグ 1459455)。
廃止
- パッケージ化されていないサイドロード拡張機能のサポートを廃止しました (バグ 1385057).
- テストのため拡張機能を一時的に読み込んでいるときに、
browser_style
に関する警告を表示しないようになりました (バグ 1404724)。
関連情報
過去のバージョン
- Firefox 61 for developers
- Firefox 60 for developers
- Firefox 59 for developers
- Firefox 58 for developers
- Firefox 57 for developers
- Firefox 56 for developers
- Firefox 55 for developers
- Firefox 54 for developers
- Firefox 53 for developers
- Firefox 52 for developers
- Firefox 51 for developers
- Firefox 50 for developers
- Firefox 49 for developers
- Firefox 48 for developers
- Firefox 47 for developers
- Firefox 46 for developers
- Firefox 45 for developers
- Firefox 44 for developers
- Firefox 43 for developers
- Firefox 42 for developers
- Firefox 41 for developers
- Firefox 40 for developers
- Firefox 39 for developers
- Firefox 38 for developers
- Firefox 37 for developers
- Firefox 36 for developers
- Firefox 35 for developers
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers