Firefox 126 for developers

このページでは、開発者に影響する Firefox 126 の変更点をまとめています。Firefox 126 は、米国時間 2024 年 5 月 14 日 にリリースされました。

ウェブ開発者向けの変更点一覧

開発者ツール

  • コンソールペインを無効化するオプションを追加しました (Firefox bug 1731635)。

HTML

変更なし。

MathML

廃止

  • 垂直方向に中央揃えされる演算子 (+、=、< など) の自動調整を、デフォルトで無効にしました。この動作は MathML Core で定義されておらず、数式以外のフォントの回避策に限って必要なものでした。設定項目 mathml.centered_operators.disabledfalse にすると、この動作を有効化できます(Firefox bug 1890531)。

CSS

  • zoom プロパティをサポートしました。要素やその内容物のサイズを拡大または縮小するために使用できます (Firefox bug 390936)。

JavaScript

変更なし。

HTTP

  • Content-Encoding HTTP ヘッダーで zstd ディレクティブをサポートしました。Zstandard compression アルゴリズムでエンコードされた、サーバーから送信されるコンテンツをデコードできます (Firefox bug 1871963)。

API

DOM

  • カスタム要素の状態を定義して、CSS セレクターを使用してそれらをマッチさせる機能をサポートしました。 カスタム状態は要素の ElementInternals.states プロパティ (CustomStateSet) で追加または削除できる、カスタム識別子として表されます。CSS の :state() 擬似クラスはカスタム識別子を引数として持ち、識別子が状態セットに含まれているカスタム要素にマッチします (Firefox bug 1887543)。
  • 選択範囲の方向を示す Selection.direction プロパティをサポートしました (Firefox bug 1867058)。

Media、WebRTC、Web Audio

廃止

WebDriver conformance (WebDriver BiDi, Marionette)

WebDriver BiDi

  • ネットワーク要求の傍受を特定のトップレベルブラウジングコンテキストに限定するための contexts 引数を、network.addIntercept コマンドに追加しました (Firefox bug 1882260)。
  • session.subscribe および session.unsubscribe コマンドで、events または contexts 引数の値が空の配列であるときに invalid argument エラーが発生するようになりました (Firefox bug 1887871)。
  • storage.getCookies コマンドの実装を、Gecko の既定の Cookie の動作に合わせて更新しました。これは CDP 実装だけが設定すると想定していた、設定項目 network.cookie.cookieBehavior のユーザー設定値を削除できます (Firefox bug 1879503)。
  • もはや必要ないため、browsingContext.locateNodes コマンドの ownership および sandbox 引数を削除しました (Firefox bug 1884935)。
  • session.new コマンドで capability が指定されていないときのエラーメッセージを改善しました (Firefox bug 1838152)。

アドオン開発者向けの変更点一覧

  • commands.onCommand コマンドが、tab 引数をイベントリスナーに渡すようになりました。これは拡張機能が tabs.query() を呼び出す必要なく、発生したショートカットをページに適用できるようにします (Firefox bug 1843866)。
  • runtime.MessageSender 型が origin プロパティを含むようになりました。これはメッセージや接続要求が、接続を開始したページやフレームを確認することを可能にします。これはオリジンが URL から明らかでないときに、オリジンを信頼できるかを明確にするのに役立ちます (Firefox bug 1787379)。
  • "webRequestAuthProvider" パーミッションをサポートしました。これは Manifest V3 の webRequest.onAuthRequired のパーミッション要求について、Chrome と互換性があります (Firefox bug 1820569)。
  • options_page マニフェストキー を、options_ui キーの別名として提供します。これは拡張機能に対して、Chrome とのよりよい互換性を提供します (Firefox bug 1816960)。
  • tabs.captureVisibleTab メソッドが activeTab パーミッション でも使用可能になり、Chrome や Safari との互換性を提供します (Firefox bug 1784920)。

その他

実験的なウェブ機能

以下の機能は Firefox 126 で新たに導入しましたが、デフォルトで無効です。これらを実験するには、about:config ページで適切な設定項目を検索して true に設定してください。実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。

  • シャドウ DOM 境界を超えた範囲選択: dom.shadowdom.selection_across_boundary.enabledSelection.getComposedRanges() メソッドを使用して、シャドウ DOM の内部にアンカーやフォーカスノードがある選択範囲を取得できます。ただし、それらのノードを包含する ShadowRoot オブジェクトを渡した場合に限ります。SelectionsetBaseAndExtent()collapse()extend() メソッドも、シャドウルートの内部にあるノードを受け入れるように変更しました (Firefox bug 1867058)。
  • CSS shape() 関数: layout.css.basic-shape-shape.enabledshape() 関数を使用して、clip-path および offset-path プロパティでシェイプを定義できます。この関数は定義できるシェイプをきめ細かく設定することができ、path() 関数より多くの利点をもたらします (clip-path における shape() 関数のサポートは Firefox bug 1823463offset-path における shape() 関数のサポートは Firefox bug 1884424shape() の補完のサポートは Firefox bug 1884425)。

過去のバージョン