Firefox 59 for developers

Firefox 59 は、米国時間 2018 年 3 月 13 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 59 の変更点をまとめています。

ウェブ開発者向けの変更点一覧

開発者ツール

HTML

  • <textarea> 要素の autocomplete 属性を実装しました。要素でフォームのオートフィル機能を有効化または無効化できます。

CSS

SVG

変更なし。

JavaScript

変更なし。

API

新規 API

DOM

DOM イベント

Service workers

  • 別のブラウザープロセスで、Service worker Clients API を発見および通信できるようになりました (Firefox バグ 1293277)。
  • 入れ子の about:blank や about:srcdoc のインラインフレームが、親で制御している service worker を継承するようになりました。これは Firefox バグ 1293277 および Firefox バグ 1426979 で修正しました。
  • service worker が ResponseFetchEvent.respondWith() に提供するときに Response.url の値が、インターセプトされたネットワークに最終的に解決された URL として伝播しないようになりました。以前は、代わりに FetchEvent.request.url を使用していました。これは、例えば service worker がスタイルシートや worker スクリプトをインターセプトする場合に提供される Response.url が、関連する @importimportScripts() のサブリソースの解決に使用されるということです (Firefox バグ 1222008)。
  • FetchEvent.request.mode"same-origin" であり、Response.type"cors" を与えた場合に、FetchEvent.respondWith() がネットワークエラーを発生させるようになりました (Firefox バグ 1222008)。

メディアと WebRTC

  • MediaStreamTrackMediaStreamTrack.muted プロパティ、および mute イベントと unmute イベント、さらにこれに対応するイベントハンドラーである onmuteonunmute を実装しました。トラックの muted 状態は、トラックが今のところメディアデータを提供できないことを示します。

    メモ: トラックの muted 状態は、一般的に考えられているトラックのミュートやミュート解除として役に立つものではありません。代わりに enabled プロパティを使用します。enabledfalse に設定すると、トラックは空のフレームだけを出力します。

  • Android 版 Firefox 59 で Apple の HTTPS Live Streaming (HLS) を、音声および映像の両方でサポートしました。この非標準プロトコルは、モバイル環境においてモバイルストリーミングのためにこのプロトコルを必要とするサイトの互換性を向上するためにサポートしました。現在、デスクトップ版 Firefox にこのプロトコルを実装する予定はありません。

  • それぞれの RTP ストリームのソースの情報を提供するため、RTCRtpReceivergetContributingSources() および getSynchronizationSources() メソッドを実装しました。ただし、公開前に仕様書が変更されましたので、デフォルトで設定項目 media.peerconnection.rtpsourcesapi.enable によってこれらを無効化しました (Firefox バグ 1363667, Firefox バグ 1430213, Firefox バグ 1433236)。

  • Firefox の WebRTC 実装でトランシーバーをサポートしましたので、RTCRtpTransceiver インターフェイスを実装しました。また、RTCPeerConnection やほかのインターフェイスを、最新の仕様書に従ってこれらを使用使用するように更新しました。

  • RTCPeerConnection.addTransceiver() メソッドを追加しました。さらに、要求に従ってトランシーバーを作成するように、addTrack() の動作を更新しました。

  • Firefox 58 で WebVTT のリージョンを実装しましたが、デフォルトで無効化していました。これをデフォルトで有効化しました (Firefox バグ 1415805)。

  • WebVTT ファイルで同じ行にすべての設定を並べる形式ではなく、1 行ごとにひとつの設定を並べる形式の REGION 定義ブロックを Firefox でサポートしました (Firefox バグ 1415821)。

Canvas と WebGL

変更なし。

CSSOM

HTTP

変更なし。

セキュリティ

  • data: URI へのトップナビゲーションはブロックされます(Firefox バグ 1401895)。詳しくは Blocking Top-Level Navigations to data URLs for Firefox 59 をご覧ください。
  • X-Frame-Options ヘッダーの SAMEORIGIN ディレクティブが、トップレベルのインラインフレームが同一オリジンであるかだけでなく、すべての祖先も同様であるかを確認するようになりました (Firefox バグ 725490)。
  • 異なるオリジンから現在のドキュメントに読み込まれる画像リソースが、HTTP 認証ダイアログを表示させることができなくなりました。 (Firefox バグ 1423146)。
  • ほかのブラウザーに合わせるため、および Firefox バグ 1419658 で説明されている潜在的な問題を避けるため、HTTP 認証でユーザー名やパスワードに (ISO-8859-1 ではなく) utf-8 エンコーディングを使用するようになりました。
  • HSTS プリロードリストは Google によって毎日更新されています。いつもの更新であれば注意する必要はないのですが、このリリースから新しい TLD が追加されました。このうち具体的に注目したいのが .app.dev です。これらの新しい TLD を知らず、ローカルの開発環境に使用した場合、予期しない挙動となるかもしれません。なお、ローカルでの開発には予約済み TLD を使うべきとされています。

プラグイン

変更なし。

その他

変更なし。

ウェブプラットフォームから廃止

HTML

  • <script> 要素の type 属性の非標準引数である version (例えば type="application/javascript;version=1.8") を削除しました (Firefox バグ 1428745)。

CSS

JavaScript

API

SVG

SMIL の accessKey 機能のサポートを廃止しました (Firefox バグ 1423098)。

その他

非標準の pcast: および feed: プロトコルのサポートを廃止しました (Firefox バグ 1420622)。

アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点

WebExtensions

過去のバージョン