Firefox 54 for developers
Firefox 54 は、米国時間 2017 年 6 月 13 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 54 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
開発者ツール
- ネットワーク要求の要約で、パフォーマンス解析ビューと同様に、実際に転送されたデータの量 ("転送量") を表示するようになりました (Firefox バグ 1168376)。
- ネットワーク要求のヘッダービューで、MDN の関連ドキュメントへのリンクを追加しました (Firefox バグ 1320233)。
CSS
clip-path
で 基本シェイプ をサポートしました (Firefox バグ 1247229)。- Firefox の CSS Flexbox と CSS alignment の実装で、
align-items
とalign-self
、justify-items
とjustify-self
の相互作用について更新された仕様を実装しました (Firefox バグ 1340309)。 - type が
checkbox
およびradio
である<input>
で-moz-appearance
: none;
を設定した場合に、他のブラウザーとの互換性のため非置換要素にするようになりました (Firefox バグ 605985)。 - 以前は、
display:block
を指定したHTMLInputElement
型の子要素を持つ、display
: inline-block
を指定した要素のベースラインが誤っていました (Firefox バグ 1330962)。この問題を修正しました。 - Mozilla がコンテンツ専用のスレッドを (Electrolysis または e10s プロジェクトで) Firefox に導入したとき、
<option>
要素へのスタイル設定機能のを一時的に削除しました。Firefox 54 よりcolor
およびbackground-color
プロパティを使用して、<option>
要素に再び前景色や背景色を設定できるようになりました。詳しくは Firefox バグ 910022 をご覧ください。Linux では、コントラストが不足するためまだ無効化していますので注意してください (進捗状況は Firefox バグ 1338283 で確認してください)。 - CSS Animations でアニメーションが早期に終了したとき、想定どおりに
animationcancel
イベントが発生するようになりました (Firefox バグ 1302648)。 - 透過色 (すなわち、アルファチャンネルが 0 である色) が、特定の状況 で
transparent
色キーワード にシリアライズされていました。これを、仕様書や他のブラウザーの実装に従うよう修正しました。詳しくは Firefox バグ 1339394 をご覧ください。 - 独自仕様である
:-moz-table-border-nonzero
擬似クラスが、ウェブコンテンツで使用できなくなりました。Firefox 内部の UA スタイルシートのみに制限されています (Firefox バグ 1341925)。 - [css-grid] overflow:auto を指定したコンテンツがグリッド内で重なり合う問題を修正しました (Firefox バグ 1348857)。
- [css-grid] 固有の比率を持つ、サイズをパーセンテージで指定したグリッドアイテムに対する、Transferred min-size の寄与に関する問題を修正しました (Firefox バグ 1349320)。
JavaScript
"u"
(Unicode) フラグと"i"
(大文字・小文字を無視) フラグを設定したRegExp
で\b
および\B
は、U+017F (LATIN SMALL LETTER LONG S) および U+212A (KELVIN SIGN) を単語に使用される文字として扱うようになりました (Firefox バグ 1338373)。DataView
コンストラクターで、byteOffset
引数がNumber.MAX_SAFE_INTEGER
(>= 2 ** 53) の範囲外であるときにRangeError
が発生するようになりました (Firefox バグ 1317382)。Date.UTC()
メソッドで引数が 2 個未満である場合の動作を、ECMAScript 2017 に準拠するように更新しました (Firefox バグ 1050755)。Function.prototype.toString()
メソッドを、最新の 仕様案 に準拠するよう更新しました (Firefox バグ 1317400)。
DOM & HTML DOM
URL.toJSON()
メソッドを実装しました (Firefox バグ 1337702)。URLSearchParams()
コンストラクターが、init オブジェクトとして文字列を含むレコードを受け入れるようになりました (Firefox バグ 1331580)。- macOS で、control キーと印刷可能なキーを組み合わせた場合に
KeyboardEvent.key
が返す値を修正しました (command キーの押下中を除く) (Firefox バグ 1342865)。 - 主に、worker で
let
を使用したときに発生する問題 (Firefox バグ 855665 のため。これは修正済み) を回避するために実装した設定項目dom.workers.latestJSVersion
を削除しました (Firefox バグ 1219523)。 event.timeStamp
プロパティが、エポック時刻 (DOMTimeStamp
)に代わり高精度モノトニック時刻 (DOMHighResTimeStamp
) を返すようになりました。
Web Workers および Service Workers
-
WorkerGlobalScope.close
が、DedicatedWorkerGlobalScope
およびSharedWorkerGlobalScope
で利用可能になりました。この変更は、service workers で使用してはならないclose()
を使用できないようにして、呼び出された場合は常に例外が発生します (Firefox バグ 1336043)。 -
origin
プロパティを実装しました (Firefox バグ 1306170)。 -
Client.type
プロパティを実装しました (Firefox バグ 1339844)。 -
Clients.matchAll()
がClient
オブジェクトを、直近に注視した順序で返すようになりました (Firefox バグ 1266747)。 -
新しいインスタンスを生成するために
Request()
へ既存のRequest
オブジェクトが渡されたときに見られる動作を、若干変更しました。以下の新たな動作は例外を発生しにくくするとともに、セキュリティを維持するように設計しました:- コンストラクターを呼び出すオリジンとは別のオリジンにこのオブジェクトが存在する場合は、
Request.referrer
を削除します。 - このオブジェクトの
Request.mode
がnavigate
である場合は、mode
の値をsame-origin
に変換します。
- コンストラクターを呼び出すオリジンとは別のオリジンにこのオブジェクトが存在する場合は、
Audio/Video
全般
- Windows、macOS、Linux で、5.1ch サラウンド音声の再生をデフォルトで有効化しました (Firefox バグ 1334508、Firefox バグ 1321502、Firefox バグ 1323659)。
Media Capture and Streams API
URL.createObjectURL()
の入力引数としてMediaStream
オブジェクトを使用することが非推奨になりました。コンソールに警告を表示します (Firefox バグ 1334564)。代わりにHTMLMediaElement.srcObject
を使用することを推奨します。
Web Audio API
AnalyserNode.getFloatFrequencyData()
メソッドが値-Infinity
で返すバッファーで、正しく無音のサンプルを表すようになりました (Firefox バグ 1336098)。AudioParam.setValueCurveAtTime()
で、指定された値のいずれかが有限値ではない場合にTypeError
例外が発生するようになりました (Firefox バグ 1308437)。
Encrypted MediaExtensions API
MediaKeySession.keySystem
文字列が仕様書から削除されたため、Firefox 54 で廃止しました (Firefox バグ 1335555)。- Clear Key および Widevine を使用する暗号化ストリームで、VP9 コーデックをサポートしました (Firefox バグ 1338064)。
- 以前は MSE で、システムが "十分に高速である" と思われる場合に限り WebM/VP8 動画の使用を許可していましたが、システムのパフォーマンスにかかわらず VP8 でエンコードした
webm/video
メディアの再生をサポートするようになりました。
WebRTC
- Firefox 41 で追加した TCP ICE candidate のサポートを、デフォルトで有効にしました。これにより、転送に好ましい UDP ではなく TCP を使用することを ICE レイヤーが候補として検討することを可能にします。これは、UDP がブロックされている環境で役に立つでしょう (Firefox バグ 1176382)。こちらのブログ投稿 で、この機能を詳しく説明しています。
ウェブプラットフォームから廃止
CSS
unicode-bidi
プロパティの値isolate
、isolate-override
、plaintext
について、-moz
接頭辞がついている値を削除しました (Firefox バグ 1333675)。
HTTP
- Firefox 54 で、HTTP/1 のパイプラインのサポートを廃止しました。ネットワークのパフォーマンス向上が標準化された HTTP/2 や他の価値ある技術が充実した段階へ移行するにつれて、パイプラインは互換性やパフォーマンスの問題によりメンテナンスする価値がなくなります。設定項目
network.http.pipelining
(および "network.http.pipelining" で始まる他の項目) は無視します。詳しくは Firefox バグ 1340655 をご覧ください。
過去のバージョン
- Firefox 53 for developers
- Firefox 52 for developers
- Firefox 51 for developers
- Firefox 50 for developers
- Firefox 49 for developers
- Firefox 48 for developers
- Firefox 47 for developers
- Firefox 46 for developers
- Firefox 45 for developers
- Firefox 44 for developers
- Firefox 43 for developers
- Firefox 42 for developers
- Firefox 41 for developers
- Firefox 40 for developers
- Firefox 39 for developers
- Firefox 38 for developers
- Firefox 37 for developers
- Firefox 36 for developers
- Firefox 35 for developers
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers
- Firefox 30 for developers
- Firefox 29 for developers
- Firefox 28 for developers
- Firefox 27 for developers
- Firefox 26 for developers
- Firefox 25 for developers
- Firefox 24 for developers
- Firefox 23 for developers