BigInt

BigInt は組み込みオブジェクトで、そのコンストラクターは bigint プリミティブ — または BigInt 値 や単に BigInt と呼ばれることもありますが — を返します。これは 2^53 - 1 (Number.MAX_SAFE_INTEGERnumber プリミティブ または Number 値で表すことができる最大の数) よりも大きな数を表すことができます。 BigInt 値は任意に巨大な整数に使用することができます。

解説

BigInt 値は、単に BigInt と呼ばれることもありますが、 bigint プリミティブです。整数リテラルの末尾に n を追加するか、 BigInt() コンストラクターを呼び出し、整数値または文字列値を与えることで生成することができます (ただし new 演算子なしで)。

const previouslyMaxSafeInteger = 9007199254740991n

const alsoHuge = BigInt(9007199254740991)
// ↪ 9007199254740991n

const hugeString = BigInt("9007199254740991")
// ↪ 9007199254740991n

const hugeHex = BigInt("0x1fffffffffffff")
// ↪ 9007199254740991n

const hugeOctal = BigInt("0o377777777777777777")
// ↪ 9007199254740991n

const hugeBin = BigInt("0b11111111111111111111111111111111111111111111111111111")
// ↪ 9007199254740991n

BigInt はいくつかの点で Number と似ていますが、重要ないくつかの点が異なります。組み込みの Math オブジェクト内のメソッドでは利用できず、演算で Number の値と混ぜることができません。同じ型に統一する必要があります。ただし、BigInt を Number へ変換する際には精度が落ちることがあるので、相互に変化する場合には注意が必要です。

型情報

typeofBigInt 値 (bigint プリミティブ) に対する評価値は、"bigint" となります。

typeof 1n === 'bigint'           // true
typeof BigInt('1') === 'bigint'  // true

BitInt の値は Object でラップすることができます。

typeof Object(1n) === 'object'  // true

演算子

以下の演算子は BigInt 値またはオブジェクトでラップした BigInt 値で使用することができます。

+ * - % **

ビット操作演算子は、同様に利用できますが、 >>> (論理的右シフト) は BigInt が常に符号付きなので除外されます。

同様に、単項演算子 (+) は asm.js を壊さないように対応していません。

const previousMaxSafe = BigInt(Number.MAX_SAFE_INTEGER)
// ↪ 9007199254740991n

const maxPlusOne = previousMaxSafe + 1n
// ↪ 9007199254740992n

const theFuture = previousMaxSafe + 2n
// ↪ 9007199254740993n, this works now!

const multi = previousMaxSafe * 2n
// ↪ 18014398509481982n

const subtr = multi - 10n
// ↪ 18014398509481972n

const mod = multi % 10n
// ↪ 2n

const bigN = 2n ** 54n
// ↪ 18014398509481984n

bigN * -1n
// ↪ -18014398509481984n

/ 演算子もすべての数値に対して、期待される通りに動作します。ただし、実数との演算では BigInt 値と演算すhる際に小数が切り捨てられます。実数を返すことはありません。

const expected = 4n / 2n
// ↪ 2n

const truncated = 5n / 2n
// ↪ 2n, not 2.5n

比較演算

BigInt 値は Number 値と厳密等価ではありませんが、等価にはなります。

0n === 0
// ↪ false

0n == 0
// ↪ true

Number と BigInt は通常通り比較できます。

1n < 2
// ↪ true

2n > 1
// ↪ true

2 > 2
// ↪ false

2n > 2
// ↪ false

2n >= 2
// ↪ true

BigInt 値と Number 値は配列の要素に混在させたり並べ替えたりすることも可能です。

const mixed = [4n, 6, -12n, 10, 4, 0, 0n]
// ↪  [4n, 6, -12n, 10, 4, 0, 0n]

mixed.sort() // 既定の並べ替えの動作
// ↪  [ -12n, 0, 0n, 10, 4n, 4, 6 ]

mixed.sort((a, b) => a - b)
// 型が混在した減算はできないので動作しない
// TypeError: can't convert BigInt value to Number value

// 適切な数値比較関数を使用した並べ替え
mixed.sort((a, b) => (a < b) ? -1 : ((a > b) ? 1 : 0))
// ↪  [ -12n, 0, 0n, 4n, 4, 6, 10 ]

なお、 Object にラップされた BigInt は他のオブジェクトと同様の振る舞いをします。同じインスタンス同士が比較された場合にのみ等価となります。

0n === Object(0n)          // false
Object(0n) === Object(0n)  // false

const o = Object(0n)
o === o                    // true

条件式

BigInt 値は次のような場合は Number 値のように動作します。

  • Boolean へ変換される場合 ( Boolean 関数を使用して)
  • 論理演算子||&&!、または if 文のような条件式の中で使用された場合
if (0n) {
  console.log('Hello from the if!')
} else {
  console.log('Hello from the else!')
}

// ↪ "Hello from the else!"

0n || 12n
// ↪ 12n

0n && 12n
// ↪ 0n

Boolean(0n)
// ↪ false

Boolean(12n)
// ↪ true

!12n
// ↪ false

!0n
// ↪ true

コンストラクター

BigInt()

新しい BigInt 値を生成します。

静的メソッド

BigInt.asIntN()

BigInt 値を符号付き整数値に丸め、その値を返します。

BigInt.asUintN()

BigInt 値を符号なし整数値に丸め、その値を返します。

インスタンスメソッド

BigInt.prototype.toLocaleString()

この BigInt 値の言語に合わせた表現の文字列を返します。 Object.prototype.toLocaleString() メソッドを上書きします。

BigInt.prototype.toString()

この BigInt 値を指定された基数で表現した文字列を返します。 Object.prototype.toString() メソッドを上書きします。

BigInt.prototype.valueOf()

この BigInt 値を返します。 Object.prototype.valueOf() メソッドを上書きします。

使用方法の推奨事項

型変換

Number 値と BigInt 値との間の型変換は精度が落ちる可能性があるため、次のことを推奨します。

  • BigInt 値は、値が 2^53 を超えることが合理的に予想される場合にのみ使用する。
  • BigInt 値と Number 値の間で型変換を行わない。

暗号処理

BigInt で対応している演算は、実行時間が一定ではないので、タイミング攻撃を受ける可能性があります。したがって、 JavaScript の BigInt は暗号処理での使用には向きません。

JSON での使用

JSON.stringify() を BigInt 値に対して使用すると TypeError が発生します。 BigInt 値は既定で JSON のシリアライズに対応していないため、ただし、必要であれば独自の toJSON メソッドを実装することができます。

BigInt.prototype.toJSON = function() { return this.toString()  }

JSON.stringify により、例外が発生する代わりに次のように文字列を生成するようになります。

JSON.stringify(BigInt(1))
// '"1"'

素数の計算

// 渡された BigInt が素数であった場合は true を返します
function isPrime(p) {
  for (let i = 2n; i * i <= p; i++) {
    if (p % i === 0n) return false;
  }
  return true
}

// 引数として BigInt 値を取り、 nth 番目の素数を BigInt 値として返します。
function nthPrime(nth) {
  let maybePrime = 2n
  let prime = 0n

  while (nth >= 0n) {
    if (isPrime(maybePrime)) {
      nth--
      prime = maybePrime
    }
    maybePrime++
  }

  return prime
}

nthPrime(20n)
// ↪ 73n

仕様書

Specification
ECMAScript Language Specification (ECMAScript)
# sec-bigint-objects

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報