Object.prototype.__proto__
非推奨: この機能は非推奨になりました。まだ対応しているブラウザーがあるかもしれませんが、すでに関連するウェブ標準から削除されているか、削除の手続き中であるか、互換性のためだけに残されている可能性があります。使用を避け、できれば既存のコードは更新してください。このページの下部にある互換性一覧表を見て判断してください。この機能は突然動作しなくなる可能性があることに注意してください。
警告: オブジェクトの [[Prototype]]
を変更することは、最新の JavaScript エンジンがプロパティアクセスを最適化する仕組み上、すべてのブラウザーや JavaScript エンジンにおいて、とても低速な操作となります。プロトタイプの継承関係を変更することによる性能上の影響は微細で広範囲にわたり、単に obj.__proto__ = ...
という文の実行時間に留まらず、 [[Prototype]]
が変更されたいずれかのオブジェクトへのアクセスを持つあらゆるコードに及ぶ可能性があります。性能を気にしている場合、オブジェクトの [[Prototype]]
の変更は避けるべきです。代わりに、 Object.create()
を使用して求める [[Prototype]]
をもつオブジェクトを新たに生成してください。
警告: Object.prototype.__proto__
は現時点でほとんどのブラウザーが対応していますが、そのプロパティの存在と正確な動作は、ウェブブラウザーの互換性を確保するためのレガシー機能として、 ECMAScript 2015 で初めて標準化されました。より広く対応させるには、代わりに Object.getPrototypeOf()
を使用してください。
__proto__
は Object.prototype
のアクセサープロパティ (ゲッター関数およびセッター関数) で、アクセスされるオブジェクトの内部の [[Prototype]]
(オブジェクトまたは null
のどちらか) を暴露します。
__proto__
の使用は、論争の的になり、推奨されていません。もともと ECMAScript 言語仕様には含まれていませんでしたが、現在のブラウザーでは結局それを実装しています。最近になって、 __proto__
プロパティはウェブブラウザー間の互換性を保つために ECMAScript2015 の仕様で標準化されたので、将来的には対応されることになります。これは非推奨扱いで、代わりに Object.getPrototypeOf
/Reflect.getPrototypeOf
および Object.setPrototypeOf
/Reflect.setPrototypeOf
を推奨しています (とはいえ、オブジェクトの [[Prototype]]
の設定は、性能が気になる場合には避けるべき低速の操作ですが)。
また、 __proto__
プロパティは、生成時に [[Prototype]]
オブジェクトを設定するために Object.create()
の代わりとしてもオブジェクトリテラルの定義で使用されます。参照: オブジェクト初期化子 / リテラル構文
解説
__proto__
ゲッター関数はオブジェクトの内部の [[Prototype]]
の値を外部に公開します。オブジェクトリテラルを使用して生成されたオブジェクトでは、この値は Object.prototype
です。配列リテラルを使用して生成されたオブジェクトでは、この値は Array.prototype
です。関数では、この値は Function.prototype
です。 new fun
を使用して生成されたオブジェクトでは、 fun
が JavaScript の (Array
、Boolean
、Date
、 Number
、 Object
、 String
などによって提供された内蔵コンストラクター関数のうちの一つである場合は — JavaScript の進化によって追加された新しいコンストラクタを含みます)、この値は常に fun.prototype
です。 new fun
を使用して生成されたオブジェクトでは、 fun
がスクリプトで定義された関数である場合、この値は常に fun.prototype
の値です。 (すなわち、コンストラクターがほかのオブジェクトを明示的に返さない場合、または fun.prototype
に再代入されていない場合)。
__proto__
のセッターでオブジェクトの [[Prototype]]
を変更することができます。オブジェクトは、 Object.isExtensible()
に応じて拡張可能である必要があります。拡張可能ではない場合、 TypeError
が発生します。与えられた値はオブジェクト、または null
である必要があります。他の値が与えられた場合は何もしません。
プロトタイプが継承のためにどのように使用されるかを理解するには、ガイド記事の継承とプロトタイプチェーンを参照してください。
__proto__
プロパティは、ゲッター関数とセッター関数からなる Object
上の簡単なアクセサープロパティです。最終的にの Object
を参照する __proto__
に対してのプロパティアクセスはこのプロパティを探します。しかし、 Object
を参照しないアクセスはこのプロパティを探しません。 Object
が参照される前にいくつかの他の __proto__
プロパティが見つけられた場合、そのプロパティは、 Object
上で見つけられたプロパティを隠します。
例
__proto__ の使用
js
function Circle() {}
const shape = {};
const circle = new Circle();
// オブジェクトプロトタイプの設定
// 非推奨。 参考用です。 実際のコードで使用しないでください。
shape.__proto__ = circle;
// オブジェクトプロトタイプの取得
console.log(shape.__proto__ === Circle); // false
const ShapeA = function () {};
const ShapeB = {
a() {
console.log("aaa");
},
};
console.log((ShapeA.prototype.__proto__ = ShapeB));
const shapea = new ShapeA();
shapea.a(); // aaa
console.log(ShapeA.prototype === shapea.__proto__); // true
// または
const ShapeC = function () {};
const ShapeD = {
a() {
console.log("a");
},
};
const shapeC = new ShapeC();
shapeC.__proto__ = ShapeD;
shapeC.a(); // a
console.log(ShapeC.prototype === shapeC.__proto__); // false
// または
function Test() {}
Test.prototype.myname = function () {
console.log("myname");
};
const a = new Test();
console.log(a.__proto__ === Test.prototype); // true
a.myname(); // myname
// または
const fn = function () {};
fn.prototype.myname = function () {
console.log("myname");
};
var obj = {
__proto__: fn.prototype,
};
obj.myname(); // myname
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-object.prototype.__proto__ |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser