AudioBufferSourceNode
はAudioScheduledSourceNode
を継承するインタフェースで、AudioBuffer
に保存されたインメモリ音声データからなるオーディオソースを表します。AudioBufferSourceNode
は、再生するタイミングに高い正確性が求められる音声を繰り返し再生する場合特に有益です。例えば、特定のリズムに合わせて、ディスクやネットワークからではなくメモリから読みだした音声を再生するといった場合です。正確なタイミングで音声を再生したいものの、音声データがディスクやネットワークから読み込まれる必要がある場合はAudioWorkletNode
を使用してください。
AudioBufferSourceNode
は入力がなく、その出力は 1 つで、出力されるチャンネル数は AudioBufferSourceNode.buffer で参照される AudioBuffer
のチャンネル数によって決まります。この属性値が NULL の場合、つまりバッファがセットされていない場合、無音が出力されます。AudioBufferSourceNode
は一度しか再生できません。つまり、AudioBufferSourceNode.start()
の呼び出しは一度しかできません。もし、再び再生するならば、別のAudioBufferSourceNode
を生成する必要があります。これらのノードは安価に生成でき、AudioBuffer
は何度も再生できます。よくAudioBufferSourceNode
は「撃ちっぱなし」で使わなければならない、と言われます。つまり、一度再生を始めると、そのノードへの参照はなくなり、自動的にガベージコレクトされます。
AudioBufferSourceNode.stop()
は何度も呼ぶことができます。AudioBufferSourceNode
がバッファの最後に達していないならば、最後の呼び出しがその前の呼び出しを上書きします。
Number of inputs | 0 |
---|---|
Number of outputs | 1 |
Channel count | defined by the associated AudioBuffer |
コンストラクタ
AudioBufferSourceNode()
AudioBufferSourceNode
オブジェクトを新しく作成して返します。AudioBufferSourceNode
はAudioContext.createBufferSource()
メソッドを用いてインスタンス化することができます。
プロパティ
親であるAudioNode
のプロパティを継承しています。
AudioBufferSourceNode.buffer
- 再生される音声の
AudioBuffer
です。NULLの場合1チャンネルからなる無音の音声(すべてのサンプルが0.0)です。 AudioBufferSourceNode.detune
- セント単位のデチューンを表すk-rate
AudioParam
です。この値とplaybackRate
の組み合わせで音声が再生される速度が決定されます。デフォルト値は0(デチューンなし)で、公称範囲は -∞ から ∞ です。 AudioBufferSourceNode.loop
AudioBuffer
の最後に達したとき再び再生するかを表すブール値です。デフォルトはfalse
です。AudioBufferSourceNode.loopStart
Optionalloop
がtrue
のとき、AudioBuffer
を再び再生する位置(秒単位)を表す浮動小数点数です。デフォルトは0で、これは音声の初めからループが始まることを意味します。AudioBufferSourceNode.loopEnd
Optionalloop
がtrue
のとき、AudioBuffer
の再生を停止してloopStart
の地点に戻る位置(秒単位)を表す浮動小数点数です。デフォルトは0です。AudioBufferSourceNode.playbackRate
- 再生される音声の速度要素を表すa-rate
AudioParam
です。この値が1.0のとき通常のサンプリングレートで出力されます。出力にピッチの修正が適用されない場合は、サンプルのピッチの変更に使うことができます。この値とdetune
の組み合わせで音声が再生される速度が決定されます。
イベントハンドラ
親であるAudioScheduledSourceNode
のイベントハンドラを継承しています。
AudioBufferSourceNode.onended
ended
イベントに関するコールバックを格納したイベントハンドラです。
メソッド
親であるAudioNode
のメソッドを継承しています。
AudioBufferSourceNode.start()
- 設定された音声の再生をスケジュールするか、直ちに再生します。
AudioBufferSourceNode.stop()
- 設定された音声の再生の停止をスケジュールするか、直ちに停止します。
例
次の例は、2秒間のバッファを生成し、ホワイトノイズを書き込み、AudioBufferSourceNode
で再生します。コメントは何をしているかを簡単に説明しています。
注: コードをすぐに実行することや、ソースコードを閲覧することもできます。
var audioCtx = new (window.AudioContext || window.webkitAudioContext)();
var button = document.querySelector('button');
var pre = document.querySelector('pre');
var myScript = document.querySelector('script');
pre.innerHTML = myScript.innerHTML;
// ステレオ
var channels = 2;
// AudioContextのサンプルレートで2秒間の空のステレオバッファを生成する
var frameCount = audioCtx.sampleRate * 2.0;
var myArrayBuffer = audioCtx.createBuffer(2, frameCount, audioCtx.sampleRate);
button.onclick = function() {
// バッファにホワイトノイズを書き込む;
// 単なる-1.0から1.0の間の乱数の値である
for (var channel = 0; channel < channels; channel++) {
// 実際のデータの配列を得る
var nowBuffering = myArrayBuffer.getChannelData(channel);
for (var i = 0; i < frameCount; i++) {
// Math.random()は[0; 1.0]である
// 音声は[-1.0; 1.0]である必要がある
nowBuffering[i] = Math.random() * 2 - 1;
}
}
// AudioBufferSourceNodeを得る
// これはAudioBufferを再生するときに使うAudioNodeである
var source = audioCtx.createBufferSource();
// AudioBufferSourceNodeにバッファを設定する
source.buffer = myArrayBuffer;
// AudioBufferSourceNodeを出力先に接続すると音声が聞こえるようになる
source.connect(audioCtx.destination);
// 音源の再生を始める
source.start();
}
注: decodeAudioData
の例は、AudioContext.decodeAudioData
のページを参照してください。
仕様
Specification | Status | Comment |
---|---|---|
Web Audio API AudioBufferSourceNode の定義 |
草案 |
ブラウザ互換性
Feature | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari (WebKit) |
---|---|---|---|---|---|
Basic support | 14 webkit | 23.0 (23.0) | 未サポート | 15 webkit 22 |
6 webkit |
detune property |
(有) | 40.0 (40.0) | 未サポート | ? | ? |
Feature | Android | Chrome | Firefox Mobile (Gecko) | Firefox OS | IE Phone | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Basic support | 未サポート | 28 webkit | 25.0 (25.0) | 1.2 | 未サポート | 未サポート | 6 webkit |
detune property |
未サポート | (有) | (有) | (有) | 未サポート | 未サポート | ? |
Chrome notes
The buffer property was removed in 44.0.