JavaScript とは
MDN 初心者向け JavaScript コースへようこそ! この最初の記事では、高水準から JavaScript を見ていき、「JavaScript とは何か?」「これを使うと何ができるか?」などの質問に答えます。 JavaScript の用途にきっちりと親しめるようになります。
前提知識: | HTML および CSS の基本的な理解。 |
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目標: | JavaScript とは何か、何ができるか、どのようにウェブサイトに適用できるかについて親しむ。 |
高水準の定義
JavaScript はウェブページに複雑な機能を実装することを可能にするスクリプトまたはプログラミング言語です。ウェブページがただそこに座って静的な情報を表示する以上のことをする場合、タイムリーなコンテンツの更新、操作可能な地図、アニメーションする 2D/3D グラフィック、スクロールする動画ジュークボックスなどがある場合、 JavaScript が関わっていることは間違いないでしょう。 これはウェブ標準技術のレイヤーケーキの 3 層目であり、そのうちの 2 種類(HTMLとCSS)は学習領域の他の部分で詳しく述べました。
- HTML はマークアップ言語で、これを使ってウェブコンテンツに構造と意味を与えます。例えば段落や見出しや表を定義したり、ページに画像や動画を入れたりします。
- CSS は HTML コンテンツに適用するスタイリング規則の言語です。例えば背景とフォントの色を設定したり、複数の列にコンテンツをレイアウトしたりします。
- JavaScript はスクリプト言語で、動的に更新されるコンテンツを作成したり、マルチメディアを制御したり、画像をアニメーションさせたり、その他ほとんどすべてを可能にします。(まあ、すべてではありませんが、JavaScript のコード数行で実現できることは素晴らしいことです。)
この 3 層は素晴らしい構成です。例としてシンプルなボタンを見てみます。HTML を使って構造と目的をマークアップできます。
<button type="button">Player 1: Chris</button>
次に、 CSS を加えて、見栄えをよくします。
button {
font-family: "helvetica neue", helvetica, sans-serif;
letter-spacing: 1px;
text-transform: uppercase;
border: 2px solid rgb(200 200 0 / 60%);
background-color: rgb(0 217 217 / 60%);
color: rgb(100 0 0 / 100%);
box-shadow: 1px 1px 2px rgb(0 0 200 / 40%);
border-radius: 10px;
padding: 3px 10px;
cursor: pointer;
}
最後に、JavaScript を加えて動的なふるまいを実装します。
const button = document.querySelector("button");
button.addEventListener("click", updateName);
function updateName() {
const name = prompt("名前を入力して下さい");
button.textContent = `Player 1: ${name}`;
}
テキストラベルの最新バージョンをクリックしてみて、何が起きるのか見てみましょう。(このデモは GitHub でも見られます。ソースコードまたはライブ実行を参照してください。)
JavaScript はそれ以上のことができます。もっと詳しく見てみましょう。
実際に何ができるのか
JavaScript は次のことを実現する一般的なプログラミング機能で構成されています。
- 有用な値を変数に格納します。上の例では、ユーザーに新しい名前を問いかけて、
name
と名付けられた変数に入力された新しい名前を格納しています。 - 連なった文字(プログラミングでは「文字列」と呼ばれます)に対する操作。上の例では「Player 1: 」という文字列と
name
変数をつなげて「Player 1: Chris」というような新しいラベルを生成しています。 - ウェブページで起きるイベントに対処します。先ほどの例では
click
イベントを使用して、ボタンがクリックされたことを検出し、ラベルを更新するコードを実行しました。 - 他にもたくさんのことができます。
しかしさらに期待が大きいのは、クライアントサイド JavaScript 言語の上に構築された機能です。いわゆるアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) は、JavaScript コードで使用するための特別なスーパーパワーを提供します。
API がなければ難しかったり、不可能であるようなコードを、すぐに使えるブロックのように、開発者がプログラムを作ることができるようになります。 家を作るときの既製の家具と同じことを、プログラミングでしてくれるのです。自分で設計し、使用する木材を選定し、正しい形で板を切り出して、正しいサイズのネジを見つけて、自分で組み立てるよりも、既に切り出されたボードとネジを使って本棚を組み立てるだけの方がずっと簡単ですよね。
API は大まかに 2 種類に分けられます。
ブラウザー API はウェブブラウザーに組み込まれていて、コンピューターを取り巻く環境からデータを取り出したり、複雑で便利なことをしてくれたりします。例えば、
-
DOM (Document Object Model) API
は HTML と CSS の操作を行うことができます。 HTML を生成し、削除し、変更し、動的にページの見た目を変更することなどができます。 例えば、ページにポップアップウィンドウが現れたり、新しいコンテンツが表示されたり(この例では単純なデモで見たように)するのは、すべて DOM の働きによるものです。 位置情報 API
は地理的な情報を取得します。これは Google マップが現在の所在地を見つけて地図上にプロットする場合に使用されています。-
Canvas
とWebGL
の API は 2D や 3D グラフィックでのアニメーションを可能とします。 このウェブ技術を使用してすごいことをやってのける人たちがいます。 Chrome Experiments や webglsamples などのページを見てください。 - 音声と動画の API、たとえば
HTMLMediaElement
やWebRTC
などは適切な音声・動画をウェブページで再生したり、ウェブカメラの動画を撮って他の人のコンピューターで流したりするような、マルチメディアの可能性を示してくれます(私たちの Snapshot demo を見てみてください)。
メモ: 上記の多くは古いブラウザーでは動作しません。試すには Firefox、Chrome、Edge、Opera といった最近のブラウザーを使うとよいでしょう。 プロダクションコードを提供する(顧客に実際のコードを納品する)段になったら、クロスブラウザーテストを読んでみるとよいでしょう。
サードパーティ API はブラウザーには組み込まれておらず、さらに普通はウェブ上のどこかからそのコードと情報を探さなければなりません。例えば、
- Twitter API を使用すると、ウェブサイトに最新のツイートを表示させることができます。
- Google マップ API や OpenStreetMap API を使用すると、ウェブサイトに専用の地図を埋め込み、付加機能を付けることもできます。
メモ: このような API は先進的ですが、このモジュールでは扱いません。詳しく知りたければ クライアントサイドウェブ API モジュール で扱っています。
ワクワクすることはもっとたくさんあります! ですが、まだ興奮しすぎないでください。24 時間程度の勉強だけでは、Facebook や Google マップや Instagram は作れません。まずはやらなければならない基本がたくさんあるのです。さあ、先に進みましょう!
JavaScript はページ上で何をするのか
まずは実際にコードを見てみましょう。そしてページで JavaScript を動かすと何が起きるのか見てみましょう。
ブラウザーをウェブページに読み込んだときの話を簡単に説明します(CSS の仕組みの記事で最初に出てきました)。ウェブページをブラウザーで見たとき、実行環境 (ブラウザーのタブ) の中で、コード (HTML、CSS、JavaScript) が実行されます。これは素材 (コード) を加工して製品 (ウェブページ) を出力する工場のようなものです。
JavaScript のごく一般的な用途は、(先ほど例示した) Document Object Model API を介して動的に HTML と CSS を変更し、ユーザーインターフェイスを更新することです。 なお、ウェブ文書上のコードは通常、ページ上に現れる順序で読み込まれて実行されます。 もし JavaScript が読み込まれ、影響を受ける HTML および CSS が読み込まれる前に実行しようとすると、エラーが発生する可能性があります。 この回避策については、記事の後半の「スクリプトの読み込み方針」の節でで学習します。
ブラウザーのセキュリティ
ブラウザーのそれぞれのタブは、コードを実行するための入れ物を個別に持ちます (この入れ物を技術的用語では「実行環境」と呼びます)。つまり、それぞれのタブ内でコードは完全に分かれて実行されており、あるタブで動いているコードは他のタブや他のウェブサイトのコードに、直接的には干渉できません。これは良いセキュリティ対策です。 互いに干渉することが出来てしまえば、ウェブの悪党たちは、他のタブで開いているウェブサイトから情報を盗み出したり、もっとひどいことをするためにコードを書き始めることでしょう。
メモ: 他のウェブサイトや、タブに安全にデータや実行可能なコードを送る方法はあります。けれども、このコースでは扱わない高度な技術です。
JavaScript の実行順序
ブラウザーが JavaScript のブロックを見つけたとき、たいていは先頭から最後に向かって順番に実行されます。 つまりどの順番で実行されるかということに気を配らなければなりません。 例えば、最初の例で見た JavaScript のブロックに戻りましょう。
const button = document.querySelector("button");
button.addEventListener("click", updateName);
function updateName() {
const name = prompt("名前を入力してください");
button.textContent = `Player 1: ${name}`;
}
このコードではボタンを選択して (1 行目)、イベントリスナーを登録して (3 行目) ボタンがクリックされたとき、updateName()
というコードブロック (5 行目から 8 行目) が実行されるようにしています。updateName()
というコードブロック (再利用可能なコードブロックで「関数」と呼びます) は、ユーザーに新しい名前を尋ねて、表示内容を変更するため、ボタンテキストにその名前を挿入します。
もし、最初の 2 行を入れ替えた場合、動かなくなってしまいます。代わりにブラウザーの開発者コンソールに Uncaught ReferenceError: Cannot access 'button' before initialization
というエラーが出るでしょう。
この意味は button
オブジェクトがまだ初期化されていないため、イベントリスナーが設定できないということを表しています。
メモ: これはとてもよくあるエラーです。オブジェクトに対して何かをする前にはそのオブジェクトへの参照が存在していることに気を配らなければなりません。
インタープリターとコンパイルコード
もしかしたら、インタープリターとコンパイルという用語をプログラミングの文脈で聞いたことがあるかもしれませんね。 インタープリター言語では、コードが上から下に実行されてコードの実行結果がすぐに返ってきます。 ブラウザーが実行する前にコードを何らかの形に変換する必要はありません。 コードはプログラマーに親しみやすいテキストで受け取られ、それが直接処理されます。
一方、コンパイル言語はコンピューターで実行する前に他の形式に変換(コンパイル)しなければなりません。 例えば C/C++ は機械語にコンパイルされてから、コンピューターで実行されます。 プログラムは、元のプログラムソースコードから生成されるバイナリーフォーマットで実行されます。
JavaScript は軽量なインタープリター型プログラミング言語です。 ウェブブラウザーは元のテキストの形で JavaScript コードを受け取り、それからスクリプトを実行します。 技術的な見地からは、たいていの JavaScript インタープリターは 実行時コンパイル (just-in-time compiling) という技術を使ってパフォーマンスを向上させています。スクリプトが使われるときに、JavaScript コードが速いバイナリーフォーマットにコンパイルされて、可能な限り高速に実行されます。 しかし、JavaScript は、事前ではなく実行時にコンパイルされるために、インタープリター言語と考えられています。
ここで詳細は話しませんが、どちらの方式も長所と短所があります。
サーバーサイドコードとクライアントサイドコード
サーバーサイドとクライアントサイドという言葉も聞いたことがあるかもしれません。特にウェブ開発でよく聞かれます。 クライアントサイドコードはユーザーのコンピューター上で実行されるコードです。ウェブページを見ているとき、ページのクライアントサイドコードがダウンロードされて、ブラウザーで実行されて表示されます。 このモジュールのことを明示的にクライアントサイド JavaScript と言います。
一方、サーバーサイドコードはサーバー上で実行され、結果がブラウザーにダウンロードされて表示されます。 ウェブで人気のあるサーバーサイドの言語は、PHP、Python、Ruby、ASP.NET など。そして JavaScript です! JavaScript はサーバーサイドの言語としても使われます。人気のある Node.js 環境がその例です。サーバーサイドの JavaScript については動的なウェブサイト – サーバーサイドプログラミングのトピックを見てください。
動的コードと静的コード
クライアントサイドの JavaScript と、サーバーサイドの言語を説明するのに動的という言葉を使います。これはウェブページやウェブアプリが必要に応じてコンテンツを生成し、異なる状況において異なる表示ができるという能力を指しています。 サーバーサイドのコードは、データベースからデータを取得して動的にコンテンツを生成します。一方、クライアントサイドの JavaScript はクライアント上のブラウザーで HTML のテーブルを生成したり、そのテーブルにサーバーから指示を受け、データを追加したり、ウェブページ上でユーザーにテーブルを表示したりするなどして、動的にコンテンツを生成します。 それぞれの文脈で、少し異なる意味合いではありますが、関連しています。そしてどちらの方式も (サーバーサイドもクライアントサイドも) たいていは同時に使用されます。
動的に更新されるコンテンツを含まないウェブページは静的と表現されます。静的なウェブページとは常に同じコンテンツを表示するページのことです。
ページに JavaScript を追加する方法
内蔵 JavaScript
-
まずは apply-javascript.html ファイルを自分のコンピューターにコピーします。どこか適当な場所に保存してください。
-
テキストエディターとウェブブラウザーでそのファイルを開いてください。クリックできるボタンが 1 つあるウェブページを作る HTML だということがわかりますね。
-
次に、テキストエディターで
</head>
タグの直前に以下のコードを追加します。html<script> // JavaScript をここに書きます </script>
-
それでは
<script>
要素内に JavaScript を書いて、もうちょっと面白いことをしてみましょう。「// JavaScript をここに書きます」と書いてあるすぐ下に、以下のコードを追加してください。jsdocument.addEventListener("DOMContentLoaded", () => { function createParagraph() { const para = document.createElement("p"); para.textContent = "ボタンが押されました!"; document.body.appendChild(para); } const buttons = document.querySelectorAll("button"); for (const button of buttons) { button.addEventListener("click", createParagraph); } });
-
ファイルを保存してブラウザーを更新してください。ボタンを押す度に新しい段落が作られて、下に表示されるようになりましたね。
メモ: もし上記の例が上手く動いていないとしたら、もう一度最初から手順を確認してください。
コピーしてコードを書いたファイルは .html
というファイル名ですか?
<script>
要素を </head>
タグの直前に追加しましたか?
JavaScript を上の例の通りに書きましたか? JavaScript は大文字小文字を区別しますので、見えている通りに書かなければなりません。正しく書いていなければ、動いてくれません。
メモ: GitHub にあるこちらのバージョン、apply-javascript-internal.html (ライブ)でも見ることもできます。
外部 JavaScript
これで JavaScript が動きましたね。しかし、 JavaScript を外部のファイルに書きたいときはどうすればよいでしょうか? 次の例を見てみましょう。
-
まず、先ほどの HTML ファイルと同じディレクトリーに新しいファイルを作ります。これを
script.js
と名付けます。 .js という拡張子であることを確認してください。それで JavaScript であると認識されるのです。 -
<script>
要素を以下のコードで置き換えます。html<script src="script.js" defer></script>
-
script.js
に、次のスクリプトを追加します。jsfunction createParagraph() { const para = document.createElement("p"); para.textContent = "ボタンが押されました!"; document.body.appendChild(para); } const buttons = document.querySelectorAll("button"); for (const button of buttons) { button.addEventListener("click", createParagraph); }
-
HTML ファイルを保存して、ブラウザーを更新してください。同じページが見えますね! 同じように動いていますが、今回は外部の JavaScript ファイルです。 コードを整理して、複数の HTML ファイルから再利用できるようにするには、このようにするのが良いでしょう。 大きなスクリプトの塊がないほうが、HTML も読みやすくなります。
メモ: GitHub でこちらのバージョンも見られます。apply-javascript-external.html と script.js です (ライブでも見られます)。
インライン JavaScript ハンドラー
たまに JavaScript のコードが HTML の途中に書かれているのを見かけます。 こんな感じです。
function createParagraph() {
const para = document.createElement("p");
para.textContent = "ボタンが押されました!";
document.body.appendChild(para);
}
<button onclick="createParagraph()">押してください</button>
このバージョンのデモは以下で確認できます。
このデモは先ほどの節のものと同じ機能を持っていますが、 <button>
要素に onclick
属性を付けてボタンが押されたときに関数が実行されるようにハンドラーを直接書いています。
ただし、このようにはしないでください。 この書き方は HTML を JavaScript で汚してしまう悪い書き方です。さらに、onclick="createParagraph()"
という属性を JavaScript を適用したいボタンすべてに書かなければなりませんので、とても非効率です。
代わりに addEventListner を使用する
HTML に JavaScript を含めるのではなく、純粋な JavaScript の構成使用してください。
querySelectorAll()
関数を使うと、ページ上のすべてのボタンを選択することができます。
そして、ループ処理でそれぞれのボタンに対して、 addEventListener()
を使ってハンドラーを割り当てることができます。
このためのコードを以下に示します。
const buttons = document.querySelectorAll("button");
for (const button of buttons) {
button.addEventListener("click", createParagraph);
}
これは onclick
属性よりも少し長いかもしれませんが、ページ上にいくつボタンがあっても、またいくつ追加されたり削除されたりしても、すべてのボタンに対して機能します。
JavaScript は変更する必要がありません。
メモ: 自分の apply-javascript.html
ファイルを編集して、いくつかボタンを追加してみて下さい。
再度読み込むとどのボタンを押しても段落が作られるのがわかるでしょう。
素敵でしょう。
スクリプトの読み込み方針
スクリプトを適切なタイミングで読み込むためには、いくつかの問題があります。それは見掛けほど簡単ではありません。 一般的な問題は、ページ上のすべての HTML が、現れた順に読み込まれることです。 JavaScript を使用してページ上の要素(またはより正確には、ドキュメントオブジェクトモデル)を操作する場合、何かをしようとする対象の HTML よりも前に JavaScript が読み込まれて解釈されても、コードは動作しません。
上のコード例では、内蔵の例と外部の例では、HTML 本文が解釈される前に JavaScript が読み込まれて文書の head で実行されています。 これによりエラーが発生する可能性があるため、いくつかの構文を使用して回避しています。
内蔵の例では、コードの周りにこの構造を見ることができます。
document.addEventListener("DOMContentLoaded", () => {
// …
});
これはブラウザーの DOMContentLoaded
イベントを待ち受けするイベントリスナーで、 HTML の本体がが完全に読み込まれて解釈されたことを示します。
このブロック内の JavaScript は、そのイベントが発生するまで実行されないため、エラーは回避されます(コースの後半でイベントについて学習します)。
外部の例では、より現代的な JavaScript 機能の defer
属性を使用して問題を解決し、<script>
要素に達した後も HTML コンテンツのダウンロードを続行するようブラウザーに指示します。
<script src="script.js" defer></script>
この場合、スクリプトと HTML の両方が同時に読み込まれ、コードが機能します。
メモ: 外部の場合は、defer
属性が問題を解決したため、DOMContentLoaded
イベントを使用する必要はありませんでした。
defer
は外部スクリプトに対してのみ機能するため、内蔵の例では defer
による解決策を使用しませんでした。
この問題に対する昔ながらの解決策は、すべての HTML が解釈された後に読み込まれるように、 body の下部に(たとえば </body>
タグの直前に) script 要素を置くことでした。
この解決の問題点は、HTML DOM が読み込まれるまでスクリプトの読み込みと解釈が完全にブロックされることです。
JavaScript がたくさんある大規模なサイトでは、これは大きなパフォーマンス上の問題を引き起こす可能性があり、サイトを遅くします。
async と defer
実際には、スクリプトのブロッキングの問題を回避できる現代的な機能が 2 つあります。 async
と defer
(すでに見てきました)です。これらの 2 つの違いを見てみましょう。
async
属性を使用して読み込まれたスクリプトは、スクリプトを取得する間、ページをブロックすることなくスクリプトをダウンロードします。
しかし、ダウンロードが完全に完了すると、スクリプトが実行され、ページのレンダリングがブロックされます。これは、スクリプトの実行が完了するまで、ウェブページの残りのコンテンツが処理されず、ユーザーに表示されないことを意味します。
スクリプトが特定の順序で実行される保証はありません。
ページ内のスクリプトが互いに独立して実行し、ページ上の他のスクリプトに依存しない場合に async
を使用するのが最善です。
defer
属性で読み込まれたスクリプトは、ページに表示されている順番に読み込まれます。
ページのコンテンツがすべて読み込まれるまで実行されません。これは、スクリプトが DOM に依存している場合(例えば、ページ上の 1 つ以上の要素を変更する場合)に便利です。
ここでは、スクリプトの読み込み方法の違いと、それがページにとってどのような意味を持つかを視覚的に表現しています。
この画像は HTML 仕様書からのもので、 CC BY 4.0 ライセンス条件に基づきコピーと縮小版への切り抜きを行っています。
たとえば、次のスクリプト要素があるとします。
<script async src="js/vendor/jquery.js"></script>
<script async src="js/script2.js"></script>
<script async src="js/script3.js"></script>
スクリプトが読み込まれる順序に頼ることはできません。
jquery.js
が読み込まれるのは script2.js
と script3.js
よりも前かもしれませんし、後かもしれません。この場合、これらのスクリプトの関数が jquery
に依存していると、スクリプトの実行時に jquery
が定義されないため、エラーが発生します。
読み込むバックグラウンドスクリプトがいくつもあって、それらをできるだけ早く実行したい場合には async
を使用するべきです。
例えば、ゲームを実際に開始するときに必要になるいくつかの読み込むべきゲームデータファイルがあるとして、今のところは、スクリプトを読み込むことによってブロックされずに、ゲームのイントロ、タイトル、ロビーを表示したいだけ、という場合です。
defer
属性つきのスクリプト(下記のようなもの)は、ページに現れた順序でスクリプトを実行し、スクリプトとコンテンツがダウンロードされるとすぐにスクリプトを実行します。
<script defer src="js/vendor/jquery.js"></script>
<script defer src="js/script2.js"></script>
<script defer src="js/script3.js"></script>
defer
属性を持つすべてのスクリプトは、ページに現れた順序で読み込まれます。したがって、2 番目の例では、 jquery.js
が script2.js
と script3.js
の前に読み込まれ、script2.js
が script3.js
の前に読み込まれることは確実です。
ページコンテンツがすべて読み込まれるまでは、実行せず、これはスクリプトが DOM 配置に依存している場合に便利です(例: ページの要素を変更する場合)。
要約すると、
async
とdefer
のどちらも、ページのその他の部分(DOM など)と並行して、ブラウザーにスクリプトを別スレッドでダウンロードするよう指示するので、読み取りの過程で読み取りプロセスがブロックされることはなくなります。-
async
属性を付けたスクリプトは、ダウンロードが完了し次第、すぐに実行されます。 これはページをブロックし、特定の実行順序を保証することはありません。 defer
属性を付けたスクリプトは、出現順に読み込まれ、すべての読み込みが終了した後に実行されます。- スクリプトを直ちに実行するべきであり、依存関係がない場合は、
async
を使用してください。 - スクリプトが解釈を待つ必要があり、他のスクリプトや DOM 上の位置に依存する場合は、
defer
を使用して読み込んでください。対応する<script>
要素をブラウザーに実行させたい順に配置してください。
コメント
HTML や CSS と同様に、 JavaScript でもコード内にブラウザーが実行しない「コメント」を書くことができます。仲間の開発者(または、コードを忘れた 6 カ月後の自分自身)に対して動作方法を書くことができます。 コメントはとても便利ですしたくさん書きましょう。大きなプログラムを書くのならなおのことです。 コメントの書き方は 2 種類あります。
-
1 行で収まるコメントは 2 つのスラッシュ (//) のあとに続けて書きます。
js// これはコメントです
-
複数行に渡るコメントは /* から */ の間に書きます。
js/* これも コメントです */
先ほどのデモでコメントを書くならば、以下のようにします。
// 関数: HTML の body タグ内の一番下に新しい段落を追加します。
function createParagraph() {
const para = document.createElement("p");
para.textContent = "ボタンが押されました!";
document.body.appendChild(para);
}
/*
1. ページ内のボタンへの参照をすべて取り出して配列に入れる。
2. すべてのボタンをループで回し、クリックイベントのリスナーを追加する
どのボタンが押されても、 createParagraph() 関数が実行されるようにする。
*/
const buttons = document.querySelectorAll("button");
for (const button of buttons) {
button.addEventListener("click", createParagraph);
}
メモ: 一般的にコメントは多いほうが少ないよりも優れていますが、変数が何であるかを説明する (変数名はおそらくもっと直感的にするべきです) ため、または非常に単純な操作を説明する (コードが複雑すぎるかもしれません) ために、多くのコメントを追加する場合は注意が必要です。
まとめ
さて、 JavaScript の世界に足を踏み入れましたね。 なぜ JavaScript を使い、何ができるのかということに慣れるため、まずは理論から始めました。 進むにつれ、少しでしたが例を見て、何よりも JavaScript がどのようにウェブサイトの他のコードに組み込まれているかを学習しました。
JavaScript が少し大変だと思いましたか。でも心配は無用です。このコースを受講することで一歩ずつ、理解しながら前に進んで行きましょう。 次の記事で、まっすぐに飛び込んで自分で JavaScript のページを作って実践に突入しましょう。