GPU: requestAdapter() メソッド

Limited availability

This feature is not Baseline because it does not work in some of the most widely-used browsers.

Experimental: これは実験的な機能です。
本番で使用する前にブラウザー互換性一覧表をチェックしてください。

GPU インターフェイスの requestAdapter() メソッドは、GPUAdapter オブジェクトのインスタンスで解決する Promise を返します。これを用いると、GPUDevice、アダプターの情報、機能、制限を要求できます。

注意点として、ユーザーエージェントはアダプターを返すかどうかを選択します。返す場合は、渡されたオプションに沿って選択します。オプションが何も渡されなかった場合は、デバイスはデフォルトアダプターへのアクセスを提供し、これは通常ほとんどの目的に十分適します。

構文

js
requestAdapter()
requestAdapter(options)

引数

options 省略可

以下のプロパティを持つオブジェクトです。

powerPreference 省略可

システムで利用可能なアダプターからどのような種類のアダプターを選ぶべきかのヒントをユーザーエージェントに与える列挙値です。以下の値が利用できます。

  • undefined (または指定なし): ヒントを与えません。
  • "low-power": パフォーマンスより電力の節約を優先するヒントを与えます。アプリケーションがこの設定で十分動作するなら、ポータブルデバイスにおけるバッテリーの寿命をかなり伸ばすので、これを使用することを推奨します。これは通常オプションが指定されない場合のデフォルトです。
  • "high-performance": 電力の消費よりパフォーマンスを優先するヒントを与えます。これはポータブルデバイスにおけるバッテリーの寿命をかなり縮めるので、どうしても必要な場合のみこの値を指定することを推奨します。さらに、システムは電力を節約するために消費電力が少ないアダプターに切り替えることがあるため、GPUDevice のロスの発生率が上がる可能性があります。

このヒントの主な目的は、複数の GPU があるシステムにおける使用する GPU の選択に影響を与えることです。たとえば、ノートパソコンには低消費電力の統合された GPU と高パフォーマンスの独立した GPU があるものがあります。どのアダプターが返されるかは、バッテリーの状態、接続されたディスプレイ、取り外し可能な GPU などの異なる因子に影響を受ける可能性があります。

メモ: デュアル GPU の macOS デバイスで実行されている Chrome では、requestAdapter()powerPreference オプションなしで呼び出され、デバイスが AC 電源で動作している場合は、高パフォーマンスの独立した GPU が返されます。そうでない場合は、低消費電力の統合された GPU が返されます。

フォールバックアダプター

ユーザーエージェントがそれが利用可能な中で最適な選択肢だと判断した場合は、ユーザーエージェントにより提供されるアダプターは フォールバックアダプター である可能性があります。一般的に、フォールバックアダプターはかなりパフォーマンスが落ちるかわりに、より広い互換性、より予測可能な挙動、よりよいプライバシーのうちいくつかを持ちます。たとえば、フォールバックアダプターを通じて API のソフトウェアベースの実装を提供するブラウザーもあるかもしれません。フォールバックアダプターはすべてのシステムで利用可能ではないでしょう。

アプリケーションがフォールバックアダプターで動作するのを防ぎたい場合は、GPUDevice を要求する前に GPUAdapter.isFallbackAdapter 属性をチェックするべきです。

メモ: 仕様書には requestAdapter() 用の forceFallbackAdapter オプションがあります。これは、true に設定するとユーザーエージェントに利用可能であれば必ずフォールバックアダプターを返させる論理値です。これに対応しているブラウザーはまだありません。

返値

要求に成功した場合は GPUAdapter オブジェクトのインスタンスで解決する Promise です。

適切なアダプターが利用できない場合は、requestAdapter()null で解決します。

例外

なし

js
async function init() {
  if (!navigator.gpu) {
    throw Error("WebGPU に対応していません。");
  }

  const adapter = await navigator.gpu.requestAdapter();
  if (!adapter) {
    throw Error("WebGPU アダプターを要求できませんでした。");
  }

  const device = await adapter.requestDevice();

  //...
}

仕様書

Specification
WebGPU
# dom-gpu-requestadapter

ブラウザーの互換性

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desktopmobileserver
Chrome
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Opera
Safari
Chrome Android
Firefox for Android
Opera Android
Safari on iOS
Samsung Internet
WebView Android
WebView on iOS
Deno
requestAdapter
Experimental
On AC power, discrete GPU returned if no powerPreference set.
Experimental

Legend

Tip: you can click/tap on a cell for more information.

Full support
Full support
Partial support
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In development. Supported in a pre-release version.
In development. Supported in a pre-release version.
No support
No support
Experimental. Expect behavior to change in the future.
See implementation notes.
User must explicitly enable this feature.
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関連情報