Object.entries()
Object.entries()
は静的メソッドで、与えられたオブジェクトが所有する、文字列をキーとした列挙可能なプロパティのキーと値の組の配列を返します。
試してみましょう
構文
Object.entries(obj)
引数
obj
-
オブジェクト。
返値
指定されたオブジェクト自身が持つ、文字列キーで列挙可能なプロパティのキーと値の組の配列。キーと値の組はそれぞれ 2 つの要素を持つ配列で、最初の要素がプロパティキー(常に文字列)、 2 つ目がプロパティ値です。
解説
Object.entries()
は、object
に直接得られる文字列キーで列挙可能なプロパティのキーと値の組に対応する配列の要素を返します。これは for...in
ループで反復処理するのと同じですが、 for...in
ループではプロトタイプチェーンのプロパティも列挙されます。 Object.entries()
が返す配列の順序は、 for...in
ループで指定されたものと同じです。
プロパティのキーだけが必要な場合は、代わりに Object.keys()
を使用します。プロパティの値だけが必要な場合は、代わりに Object.values()
を使用します。
例
Object.entries() の使用
const obj = { foo: "bar", baz: 42 };
console.log(Object.entries(obj)); // [ ['foo', 'bar'], ['baz', 42] ]
const arrayLike = { 0: "a", 1: "b", 2: "c" };
console.log(Object.entries(arrayLike)); // [ ['0', 'a'], ['1', 'b'], ['2', 'c'] ]
const randomKeyOrder = { 100: "a", 2: "b", 7: "c" };
console.log(Object.entries(randomKeyOrder)); // [ ['2', 'b'], ['7', 'c'], ['100', 'a'] ]
// 列挙可能でないプロパティ getFoo がある
const myObj = Object.create(
{},
{
getFoo: {
value() {
return this.foo;
},
},
},
);
myObj.foo = "bar";
console.log(Object.entries(myObj)); // [ ['foo', 'bar'] ]
プリミティブに対する Object.entries() の使用
オブジェクト以外の引数はオブジェクトに変換されます。 undefined
と null
はオブジェクトに変換することができず、事前に TypeError
が発生します。文字列のみが自分自身で列挙可能なプロパティを持つことができ、他のすべてのプリミティブは空の配列を返します。
// オブジェクトでない引数はオブジェクトへと型変換される
console.log(Object.entries("foo")); // [ ['0', 'f'], ['1', 'o'], ['2', 'o'] ]
// undefined と null 以外の他のプリミティブには独自のプロパティがない
console.log(Object.entries(100)); // []
Object から Map への変換
Object の反復処理
配列の分割代入を使って、オブジェクトを簡単に反復処理することができます。
// for...of ループの使用
const obj = { a: 5, b: 7, c: 9 };
for (const [key, value] of Object.entries(obj)) {
console.log(`${key} ${value}`); // "a 5", "b 7", "c 9"
}
// 配列のメソッドの使用
Object.entries(obj).forEach(([key, value]) => {
console.log(`${key} ${value}`); // "a 5", "b 7", "c 9"
});
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-object.entries |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser