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The Business Benefits of Web Standards

出典: MDC

目次

[編集] はじめに

少ない作業でより大きな成果を得るということ、それは Web 開発者にとって、絶対に達成不可能な任務に思えます。Web サイトの保守やリニューアルにかけるコストを削減しながら、より多くの顧客、幅広い訪問者、様々なブラウザ環境、アクセシビリティの向上、スピードを求めるユーザに対処するには... Web デザイナーは、常に板挟みになりながら、こうした難しい課題に直面しています。しかし彼らは、その闘いに予想外の協力者を見いだしつつあるようです。それが、ここでお話しする「Web 標準」です。

この文書では、Web 標準を遵守し、プロプライエタリなマークアップや技術を捨てることが、どのように企業のビジネスゴールに寄与できるかということを議論していきます。

[編集] サイト全体のデザインの一貫性

文書構造 (コンテンツ) を視覚表現から分離することで、Web デザイナーは多くの恩恵を受けられます。具体的には、レイアウト指向の CSS 言語を使って視覚表現を定義します。CSS を別のファイル (スタイルシート) に保存し、一連の HTML 文書に適用させることで、それらすべての文書の視覚表現を一瞬で完全に変えることができます。(しばしば用いられる過渡的な HTML マークアップとは対照的に) 厳格な HTML では、デザイナーは視覚表現に関するタグを HTML 文書内で用いることができませんので、必然的に視覚表現とコンテンツを分離することになります。

[編集] ユーザ体験の向上: 帯域の削減と高速な表示

HTML コードは CSS とともに用いることで、ほとんどの場合非常にシンプルになります (結果的に可読性と保守性が向上します)。様々な調査やケーススタディ、そして Speed Up Your Web Site: Web Site Optimization の著者である Andy King 氏によれば、CSS は、テーブルベースのレイアウトを CSS ベースのレイアウトに変換することを可能にします。これにより、通常は 25% から 50% までページサイズを削減できます。ユーザビリティの権威である Jakob Nielsen 氏によれば、ユーザは読み込みに 10 秒以上かかる Web ページは閉じてしまう傾向があるそうです。そうしたことから、ページサイズの削減はより良いユーザ体験につながります。

[編集] サイトトラフィックの増加

[編集] 検索エンジン順位の上昇

検索エンジンで上位に表示されることは、Web マスターにとって最も難しい課題のひとつです。この際、「塵も積もれば山となる」を実践してみましょう。

検索エンジンのエージェントは、Web をクロールし、その内容をインデックスしています。人間がページを見る場合と比べて、検索エンジンの挙動には非常に大きな違いがあります。例えば JavaScript によって実装された動的な効果は考慮されず、画像によって表現されたテキストも読み込まれないかパースされません。コンテンツを視覚表現から分離することで、情報やマークアップの割合が高まり、CSS ベースの文書を検索語に対して最適化できます。これにより、検索結果でより上位に表示されることが可能になります。

その点、タイトルの表示に、画像ではなく CSS を用いることも効果的です。

[編集] マルチプラットフォーム対応

標準に準拠したコードとクロスプラットフォームには関連性があります。プラットフォームごとに異なる振る舞いをする、気まぐれなブラウザがある一方で、Mozilla ベースのブラウザ は、サポートされているすべてのプラットフォーム (Mac、Linux、Unix、Windows など) において完全に同じように動作するよう設計されています。

[編集] 未来志向

電子的に保存されている情報の大部分は、Web 向けに作成され、HTML 形式で書かれています。こうした情報の大半は、古い寛容なブラウザでは正確に表示されるかもしれない、不正な HTML を使用しています。Web の進化に伴い、Web ブラウザの寛容性はより限定されてきており、不正なマークアップを与えられた場合に異なる振る舞いをするようになっています (例えば不正なデータをパースした場合、若干異なった表示結果になる例が見られます)。正しい、標準に準拠したマークアップを使えば、そのデータを長期間にわたって再利用可能にすることができます。標準の形式をどのようにパースすべきかを記述した仕様は、詳しく解説され、普及しているからです。

一般的な考えとは裏腹に、標準に従ってコーディングを行うことは、作成するコンテンツの魅力低下にはつながりません。実際、利用されているプロプライエタリな拡張仕様は、ほぼすべて標準に準拠した方法で実現できますし、逆にクロスプラットフォームや将来対応というメリットを得られるのです。

[編集] 拡張性

厳格な HTML を使用し、コンテンツから文書構造を分離することで、HTML の XML 互換版である XHTML への道が開けます。XHTML を使えば、Web 開発者は、XSLT など XML 由来のツールを利用して、XML データを簡単に操作できます。

XHTML は、XML、XSLT (データ変換)、SVG (アニメーション画像)、MathML (数式の記述) など、XML ベースの技術からなる一連の Web 標準への入り口です。それらの技術は相互運用性を考えて設計されており、Web サービスの基礎にもなっています。これらは、単なる Web ページの作成にとどまらない技術なのです。

[編集] 保守コストの削減

Web サイトの保守は、非常にコストがかかる場合もありますが、Web 標準を利用することで、そのコストを押さえることが可能です。

[編集] JavaScript にはない CSS のメリット

具体的には、テキストの一部分に特殊効果を与えるのに、画像や JavaScript が利用されることがあります。スタイルシートの技術を利用すれば、デザイナーは文字組みをより柔軟に調整したり、ロールオーバーのような効果を得ることができます。これにより、JavaScript プログラミングや画像作成の必要性が大幅に削減されます。さらに重要なのは、画像による帯域の消費を削減できるということです。

[編集] 正しい HTML コード

Web デザイナーが特に頭を悩ます問題のひとつは、Web ページがブラウザごとに異なって表示されることでしょう。確かに、古いブラウザにはそうしたレンダリングの違いが存在しますが、その多くは広く知られ、文書化されています。たいていの場合、レンダリングの違いはあいまいなコーディングが原因です。

コードを正しく記述すれば、ブラウザごとの表示の違いを大幅に減らすことができます。W3C Validator などの検証ツールを使えば、コーディングエラーを指摘し、HTML が整形式になるよう支援してくれますので、ブラウザによるパースのあいまいさを排除することが可能です。

[編集] 新しいブラウザとの互換性

Windows 版 Internet Explorer 以外にも、ますます多くのブラウザが Web の閲覧に利用されています。

  • Windows : MSIE、Mozilla の Gecko レンダリングエンジン を使用したブラウザ、Opera
  • Mac: MS-Tasman (Mac 版 IE のレンダリングエンジン), Gecko ベースのブラウザ、Safari、Opera
  • Linux: Gecko ベースのブラウザ、KHTML ベースのブラウザ、Opera

全体で 5 種類のレンダリングエンジンが存在し、3 つのプラットフォームで多くのブラウザに搭載されています。

様々な調査によれば、現在では Gecko ベースのブラウザが Netscape 4.x や MSIE 4 よりも一般的になっており、時間とともに著しい増加を見せています。Firefox だけでも、リリース後 6 か月で 5000 万回以上ダウンロードされています。

このように増えつつある様々な環境においては、あらゆる設定で各 Web ページをテストすることは不可能です。そのため、標準に従ってコーディングすることが唯一の現実的な解決策なのです。

[編集] Netscape 4 と IE4 の例外

CSS を採用するにあたっての唯一の欠点は、古いブラウザ (具体的には IE4 と NS4) で期待通りに表示されないということです。訪問者の相当数が未だ Netscape 4.x を使っているような場合は、レイアウトにシンプルなテーブルを、フォントの調整に CSS を使用するのが適当な解決策かもしれません。もうひとつの選択肢は、Netscape 4.x ユーザには CSS スタイルなしの HTML コンテンツを提供することです。その場合もコンテンツは利用可能ですが、最新のブラウザのように魅力的には表示されません。なお、4.x はセキュリティ上の問題を抱えていることが知られており、いずれにせよユーザにはアップグレードを推奨すべきです。

[編集] アクセシビリティ

アクセシビリティの確保は、多くの国では政府機関において (米国、英国、カナダ)、またオーストラリアなど一部の国ではすべての組織において義務とされています。米国では、政府系のプロジェクトや組織には Section 508 が適用されます。

Web 標準はアクセシビリティを考慮して開発されているため、標準 (特に CSS によるポジショニングと厳密な HTML) に従ってコーディングすれば、アクセシビリティの目標達成が容易になります。

アクセシビリティへの対応は、より幅広い訪問者への Web コンテンツ提供を可能にし、障害を持たない人たちにとってもサイトのユーザビリティが向上します。

[編集] 特定の開発者に対する依存の軽減

既存のサイトの管理を引き受けるにあたって Web 開発者が抱える一般的な課題は、他の開発者によって書かれたコードです。たいていの場合、文書化されていない機能やハック、特定のコーディング手法に依存している、質の悪い HTML コードに直面することになるでしょう。文書の欠如もしばしば問題となります。

W3C は公平な審判ですから、性能要件における標準準拠 を説いた文書に従うことは、最終製品の品質を測定可能にする、非常に効率的な方法であると言えるでしょう。

Web 標準は非常に詳細に解説されていますので、他の担当者が標準準拠のコードを引き継いだ場合でも円滑に作業を進めることができますし、前任の開発者のコーディング手法を理解する必要もありません。これは特定ベンダーへのロックインを大幅に軽減することにもなります。

[編集] サイト訪問者の恩恵

アクセシビリティ、Web ページの読み込み高速化、(テストに使用する 1 つか 2 つのブラウザに限らず) より多くのブラウザとの互換性によって、訪問者によるサービスの評価と、再度利用してくれる可能性を高められるでしょう。

[編集] まとめ

Web 標準を利用し、文書構造を視覚表現から分離することで、今日そして未来においても、多くのメリットを得ることができます。

それは、今日においては、訪問者の増加と、新しいコンテンツ作成にかかるコストの削減、アクセシビリティ要件への準拠を意味します。

将来的には、ベンダーロックインの軽減、保守コストの削減、視覚表現に関してより柔軟な Web サイトの作成を意味します。標準を利用することで XML 技術への扉を開けることも見逃せないポイントでしょう。

これらの要因はすべて、サイト管理の簡素化、訪問者の拡大、投資収益の拡大にも貢献します。ヘビーユーザ、マーケティング担当者、会計士、その誰もが、標準に基づいた Web サイトの恩恵を受けられるのです。そう、それはあなたが夢見た世界、いやそれ以上の現実世界なのです。